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ストレスフルライフイベント [stressful life event]

ストレスの原因となりうる生活上の大きな変化をいう.それらがどのくらいストレスをもたらすか、すなわちストレッサーについての強度を数値化したもので、代表的なものはHolmesらの社会再適用スケール(the social reajustment rating scale)である.結婚を基準(50点)にし、配偶者の死亡100点、離婚73点、別居65点、家族メンバーの死亡63点、拘留所留置63点など人生でのできごと(イベント)をスケール化したものであり、これは国民性の違いで数値に差が見られるが、日本人では家族メンバーの死亡89点、自分の病気あるいは障害は69点と表され強いストレスとされている.1年を通してライフイベントの合計が高くなるにつれて病気になりやすくなるとされており、合計が300点を超すと80%が、150点を超すと53%がうつ病や心疾患になるという.また、この合計点はその人のおかれたストレス状況を数値化しているので、ストレス測定法として用いられている.ただし、この方法はあくまでストレッサーの評価であって、ストレス対処能力など個体側の要素は考慮されていないので、結果としてその人がどのような状態になっているかまでは把握できない.(柴谷順一)

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