ABOUT SCCJとは

会長挨拶

2025年5月の総会にてご承認をいただき、2025-26年度日本化粧品技術者会(SCCJ)の会長を務めさせていただきます。
これまで約5年間、進めてきた運営改革「Vision 2025」は、いよいよ仕上げの段階を迎えています。会員の皆さま、参画された役員の方々のご尽力により、おかげさまで改革は順調に進んでいます。この場をお借りして、あらためて心より感謝を申し上げます。
今一度、「Vision 2025」の主な目標と改革の方向性を振り返ってみたいと思います。
「Vision 2025」でSCCJが目指すのは「学術活動の充実、技術者のレベルアップを通じて、技術のグローバルリーダーとしての地位を確固たるものとし、日本の化粧品産業の競争優位性確保と永継的発展に貢献する」ことであり、これを実現するため、下記の3つの方向性を示しました。

1.研究討論会、ジャーナルの質的向上と行事の効率化
2.会員の裾野拡大のための学生会員導入と会費の全体的低廉化
3.2022年総会から段階的に改革の具体、規約改定提案と2023年からの逐次具現化

歴史ある研究討論会をオープンな会として進化させた学術大会は、多くの方々にご参加いただき大いに盛り上がり、新しい学術発表、交流の場として定着しつつあります。更に充実した大会となるよう、さまざまな取り組みをしていきますので、引き続きご支援をいただけますようお願いいたします。
また、高度な化粧品科学・技術を日本から世界に発信する英文ジャーナル「Applied Cosmetic Science and Technology (ACST)」も創刊されました。ACST誌は世界的に認知される国際誌へ成長させることを目標にしています。化粧品技術者の皆さまには、ご自身の研究成果をACST誌に投稿いただくとともに、引用文献として参照し、誌の地位向上につなげていただけますよう、積極的な活用をお願いいたします。また、ACST誌創刊に伴い、SCCJ誌の役割も変化すべく、鋭意検討してまいります。
従来、日本が得意としてきたスペックの高さが直接価値となる文明商品(半導体、工作機械、電気製品など)は、他国のキャッチアップを受け、厳しい価格競争に巻き込まれます。今後、ブランド、デザインなど感性価値に基づく文化商品(コンテンツ、ファッション、音楽、食品など)も、日本の輸出商材として、強くしていかなくてはなりませんが、化粧品はその中でも有力な候補といえます。2016年に初めて日本の化粧品輸出額は輸入額を超え、一時は5,000億円の輸出超過と外貨を稼ぐ重要な産業となっています。確かな技術に支えられた高品質な化粧品は、多くの国で認められていますが、現在、世界最高レベルにある日本の化粧品技術に安住することなく、更なる進化発展を図っていかなくてはなりません。
日本の化粧品産業が国際競争力を持ち、健全に発展していくためには、若く優秀な技術者がこの産業に入ってきてくれる環境作りが必須です。次世代の研究者に対し、化粧品技術に興味を持ってもらうため、学生会員制度を導入しました。同時に、会員種別の見直しや、可能な限りの会費低廉化も進めていますが、学術団体としての永続的発展のため、法人会員や新たなスポンサーシップ制度、一般社団法人化についても議論を始めています。
「Vision 2025」をしっかりと完結させるとともに、次なる目標、いわば「Vision 2030」の検討も本格化しなくてはなりません。私自身は会が進むべき方向は、以下の2点だと考えています。

1.たゆまざる進歩により化粧品科学の技術的優位性を確固たるものにし続ける
2.国際社会において信頼を得て一定の発言力を確保する

具体的取り組みについては、役員、会員の皆さまとも議論しながら取り組んでいきます。今後ともSCCJの活動へ積極的にご参画いただき、会の発展へ益々のご協力をいただけますようよろしくお願いいたします。

様々な専門分野がインテグレートする化粧品科学