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第61回SCCJセミナー「乳化 -化粧品の最新乳化技術がもたらす無限の可能性-」

  • 早瀬委員長より開会挨拶
  • 業界内外からの講師陣ご講演
  • 講演終了後の別会場でのQ&A風景


第61回SCCJセミナー「乳化 -化粧品の最新乳化技術がもたらす無限の可能性-」
参加レポート

 2024年2月8日、きゅりあん(品川)でリアル開催された第61回SCCJセミナーに参加しました。今回のテーマは 「乳化~化粧品の最新乳化技術がもたらす無限の可能性~」で、約200名が参加し、学びと活気に満ちたセミナーでした。
「乳化」はこの業界なら誰もが経験する製品価値を左右する最重要技術で、基本的でありながらも進化を続けている技術です。
 セミナーは早瀬委員長の開会挨拶ではじまり、業界内各社より選抜された講師陣から5件の興味深い講演を拝聴出来ました。株式会社資生堂 日吉淳也先生からはαゲル乳化技製剤による心地よさとしわ改善、花王株式会社 度会悦子先生からは働く女性のQOL向上を意識したαゲル/ポリマー複合技術の応用による製剤開発と、共に時代にマッチした興味深い講演を拝聴出来ました。午後からはポーラ化成工業株式会社 中谷明弘先生よりピッカリングエマルジョンの基礎と応用として海水で流れ落ちず、UVカット機能も高まるという夢のある製品開発、さらにはクニミネ工業株式会社 山内優希先生から粘土鉱物を応用したピッカリング乳化のお話と同業でありながら異分野の様な技術・原料のお話を聞く事ができました。業界から最後の演者は乳化の第一人者ともいえる日光ケミカルズ株式会社/東京理科大学 鈴木敏幸先生より「乳化技術と化粧品」と題して、エマルションの基礎と応用について苦労・失敗談も交えた講演を楽しく拝聴することができました。特に乳化につきものの三角相図を身近な酎ハイの様に言い換えると分かり易くなるなど、笑いながらもあっなるほど、と思わせるお話の連続でした。最後は食品業界から不二製油株式会社 尾森仁美先生より植物由来の油脂の加工技術や美味しさを制御する鍵成分としての多様性など、へぇーと思わせる新たな価値観を知ることができました。
 6名の講演のあとは、別会場に移動し、軽食・ソフトドリンクを楽しみながら各講師の方々とフリーディスカッションとなり各講師に用意されたブースは順番を待つ参加者が列をつくり、熱気と笑顔に包まれた研究者同士のQ&A風景、そして参加者同士の交流を取材することができました。本セミナーの特徴であるQ&Aコーナーは静かに講演を聞いていた方と講師がフランクに交流できるSCCJならではの企画で、1時間では時間切れ感も否めませんでしたが最後は服部セミナー副委員長より閉会挨拶で幕を閉じました。
 自身は閉会後も講師や委員の方々と夜のドリンクを頂きながら深夜まで情報交換させて頂き、大きな充実感とSCCJの更なる発展を確信するセミナー参加になりました。
 最後に、本セミナーで興味深い講演をくださった先生方、そして企画運営くださったセミナー委員の皆様に感謝申し上げます、ありがとうございました。
SCCJ広報委員 石田 賢哉(高砂香料工業株式会社)