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第158回「技術見学会」のご案内(2日開催)

2016年6月15日(水)および28日(火)、東京支部渉外部会主催の第158回技術見学会を開催いたしました。今回は食や農業に関する新しい研究成果や技術を学ぶことのできる「食と農の科学館」と、宇宙ロケットから半導体、医薬品製造開発など幅広く使われる精密バルブを製造している「(株)フジキン万博記念つくば先端事業所」を訪ねました。今回から新たな取り組みとして、開催日を2日に分けました。これは、一日あたりの参加者を従来の半分にすることで、80人規模では見学できない施設を見学し、参加者一人一人の理解を深めて頂くことを期待した施策でした。参加者は15日31名、28日36名で、幸いにして雨も降らず、過ごしやすい気候に恵まれました。

私たちを乗せたバスは、最初の目的場所である「食と農の科学館」に向けて定刻で出発しました。「食と農の科学館」に到着後、国立研究法人 農業・食品産業技術総合研究機構(以下農研機構)の施設概要、および取り組みについて説明をいただきました。皆さん、なじみがあるフルーツですと、ナシの「豊水」「幸水」、リンゴの「ふじ」は農研機構で品種開発されたそうです。また、最近はTV番組などで、健康に良いとされる健康食材について取り上げられる機会が多くなってきました。これは最近、機能性表示の制度が改正され、農林水産物においても一定の条件をクリアすることで、機能性表示が可能になったことが背景にあります。ただ、機能性表示を行うためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。その問題点と、機能性表示を行うメリットや将来展望について、分かりやすくご説明いただきました。日本は長寿の国として知られていますが、健康寿命も世界一だそうです。食の研究を通して、より健康で長生きできる方法を科学的に解明して頂きたいと思いました。また、このような取り組みは機能性化粧品の開発にも深く関わりますので、機能性表示制度についての理解も高めることができたのではないかと思います。

続いて、「(株)フジキン万博記念つくば先端事業所」を見学させていただきました。フジキングループは、流れ(超精密流体)の制御分野では世界的企業であり、業界内では知る人ぞ知る会社です。その名の通り、事業所はつくば万博の跡地に建てられた広い敷地にあり、最近では「下町ロケット」の撮影現場にもなっています。到着後、たくさんの社員の方にお出迎えを受け、まず「(株)フジキン」の社長様より会社のご紹介をいただきました。その後、特徴ある製品として、LPSバルブという継ぎ手の説明をいただきました。従来のバルブに比較し、滞留部がなく、分解作業性がしやすいという特徴があり、見学者の中の化粧品製造現場では流体制御で親しみがある人は興味深く、お話に聞き入っていました。

そのあと、グル—プに分かれ、事業所の見学をさせていただきました。ちょうざめ飼育場、ウルトラクリーンルーム、つくば万博の記念展示物等を見学させていただきました。ちょうざめはキャビアを産む貴重な魚として知られていますが、フジキン様は、平成4年に民間企業として日本で初めて人工孵化に成功したということでした。人口飼育が困難で絶滅が心配されているちょうざめが数多く泳いでいる水槽を見学させていただき、フジキン様の流体制御技術が幅広い分野で使われていることを目の当たりにし、見学者一同、興味深く、質問していました。その他、クラス10に管理されたウルトラスーパークリーンルームの管理方法、懐かしいつうば万博の記念展示物等をご紹介いただきました。

最後に、「下町ロケット」の撮影風景のパネルや佃製作所の制服等をバックに記念撮影をさせていただき、楽しい雰囲気の中、見学が終了いたしました。次回は秋ごろを予定しています。皆様方の参加を心よりお待ち申し上げます。
(渉外部会)