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7/18開催「第84回SCCJ研究討論会」

  • 多くの参加者が熱心に耳を傾ける討論会会場
  • ASCS 2019 香港大会 国内報告会 ポスターセッション 多くの参加者がポスターに詰めかけ討論を行う
  • 最優秀発表賞に輝いた資生堂グローバルイノベーションセンター 中村綾野氏のご発表
  • 最優秀発表賞の受賞の様子
  • 賑わいを見せるQ&Aコーナー
  • 優秀論文賞受賞講演の花王㈱西田 由香里氏
7月18日に開催された「第84回SCCJ研究討論会」に参加しました。今回は一般演題18 題に加え、「ASCS 2019 香港大会 国内報告会」(全ポスターセッション8題)と「第20回SCCJ優秀論文賞 受賞講演」として最優秀論文賞1題、優秀論文賞2題が含まれる盛り沢山の内容でした。

SCCJ研究討論会は私自身もこれまで過去に何度も参加したことのあるイベントですが、毎回幅広い分野、多岐に渡るテーマが議論されることが最大の魅力だと感じています。
開会の挨拶として学術委員会の尾郷委員長より、研究討論会のテーマについて「非常識な発想」「ユニークな発想」という言葉を頂きました。私もこれまで参加したSCCJ研究討論会にて、毎回新しい発見やヒントが得られたことを思い出しました。今回は取材として参加の機会を頂きましたが、292名の参加者の中、気付けば、私は興味をその演題発表と活発な議論の中へ引き寄せられた技術者の一人となっていました。
今回の一般演題18題より最優秀発表賞に資生堂グローバルイノベーションセンター・中村綾野氏の「高分子構造制御による化粧品基剤の使用感触コントロール-レオロジー特性による客観評価と天然物に倣った高分子設計-」と題したご発表が選ばれました。私自身が処方開発に携わる立場であり、相反する使用感触の両立には幾度となく悩んだことがあります。それを分子構造制御の観点から達成させる手法に冒頭の学術委員会の尾郷委員長をお借りするならば「非常識な発想」であり、私自身も化粧品開発の接し方や考え方のヒントを得られた貴重なご発表でした。
 
 閉会の挨拶では学術委員会の前山副委員長より、SCCJ研究討論会について「企業色を感じさせないイベントであり会社の枠を越えて議論ができること、それにより一人一人の技術が高まり、日本の技術力の発展に繋がる」とおっしゃられていましたが、それを感じた場面の1つが演題発表終了後でした。
Q&Aコーナーでは、ご発表者の皆様と直接お話しするパネルセッション形式の機会が設けられており、ご発表者の周囲には多くの参加者が詰めかけているのが見られました。また懇談会では参加者同士が会社の枠を越え、技術交流ができるのも大きな魅力だと感じています。
 
参加することで、技術者の誰もが日々の業務で感じたちょっとした疑問や悩みに多方面の分野からヒントが得られ、日常業務で関わりの少ない分野の幅広く深い知見も得られる貴重なイベントだと改めて感じた一日でした。このようなイベントを企画・運営された学術委員会の皆様、ご発表者の皆様に心より感謝いたします。
日本化粧品技術者会 広報委員会 清水徹(東洋ビューティ㈱)

本開催への参加は292名の皆様にご参加を頂きました。
発表数は「第84回SCCJ研究討論会」18 題、「ASCS 2019 香港大会 国内報告会」全ポスターセッション8題と
「第20回SCCJ優秀論文賞 受賞講演」を同日開催いたしました。

第84回SCCJ研究討論会の講演要旨集に全ての発表・講演要旨が掲載されております。
要旨集掲載ページ(https://www.sccj-ifscc.com/event/abstracts/2019)
※SCCJ会員の方は会員IDでログインいただき、要旨集PDFをダウンロードしてご覧いただけます。是非ご利用ください。


第9回目となる「最優秀発表賞」の授与が行われ、以下のご発表が受賞されました
■■■第9回・最優秀発表賞■■■
「高分子構造制御による化粧品基剤の使用感触コントロール ―レオロジー特性による客観評価と天然物に倣った高分子設計―」
中村綾野1、曽我部敦1、谷田正弘1、小口希1、宮沢和之1、田邉沙織1、松下裕史1、遊佐真一2
㈱資生堂 グローバルイノベーションセンター(* 1)
東京理科大学理工学部(* 2)


同日に行われた「第20回SCCJ優秀論文賞 受賞講演」は以下の3題となります。表彰式は5月14日に「第59回SCCJ総会」にて行われました。

■最優秀論文賞(日本化粧品技術者会誌 第52巻 第4号 2018年)
「新規ベシクル/ミセル複合体の相平衡制御による化粧水の高保湿性と心地よい使用感の両立」
渡辺啓(*1)、西田美晴(*1)、西村加奈子(*1)、宗頼子(*1)、松下裕史(*1)、中村綾野(*1)、土屋好司(*2)、酒井秀樹(*2)、ハインツホフマン(*3)
資生堂グローバルイノベーションセンター(*1)
東京理科大学理工学部先端化学科(*2)
バイロイト大学(*3)

■優秀論文賞(日本化粧品技術者会誌 第51巻 第2号 2017年)
「しなやかな髪の力学特性とそれを実現する毛髪精密改質技術の開発」
西田由香里(*1)、江連美佳子(*1)、丹治範文(*1)、溝奥隆司(*1)、長瀬忍(*1)、大角高広(*1)、石川和高(*2)
花王株式会社 ヘアケア研究所(*1)
解析科学研究所(*2)

■優秀論文賞((日本化粧品技術者会誌 第51巻 第3号 2017年)
「顔面の真皮乳突起構造および真皮線維状構造の簡便計測法の開発」
水越興治、平山賢哉
ポーラ化成工業株式会社 横浜研究所