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The 31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA

  • 「VIRTUAL Congress」でのポスター発表① 「Video」よる概要の説明を配信。「Like!」を押すと「VIRTUAL」ならではのいいね!ができました。
  • 「VIRTUAL Congress」でのポスター発表② 右上にはQ&Aチャットがあり、「VIRTUAL」で発表者と内容に関する議論が可能でした。
  • 「VIRTUAL Congress」でのポスター発表 「Full Paper」のPDFから論文の閲覧が、そして右下の矢印ボタンでスライドの閲覧ができました。
  • Podium(オーラル)発表の様子
『The 31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA』取材レポート.Ⅰ

 1992年以来28年ぶり2度目の横浜、2006年以来14年ぶり4度目の日本での開催となる『The 31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA』が10日間の会期を終え、無事閉幕しました。新型コロナウィルスの影響下、リアル開催を見送り、IFSCC大会史上初となるWeb開催となりました本大会は、参加者数1555人と、先のCongress(パリ大会:2014年,オーランド大会:2016年,ミュンヘン大会:2018年)を上回る人数での開催でした。

 リアルからWebでの開催への変更は、想像以上に発表者らに大きな影響を与えた様子でした。会期中、社内で起きたいくつかの場面をご紹介いたします。
ある参加者は自身らで大会を盛り上げてゆこうと、社内コミュニケーションソフト上に議論の為のスペースを作りました。「大会で気になる発表について語りあおう!」と、参加者ら同士が意見交換する動きが生まれました。また、別の参加者は、発表演題の日本語タイトル一覧を手作りしました。参加者らに、どんな発表があるのか、会期中、聴講する演題を確認しやすいようにと感じた為と語ってくれました。

私自身、若かりし頃、参加したリアル開催の大会では、主催者により準備された様々なイベントなどに夢中となり、大会に参加出来なかった他の同僚らの為に何かしようと会期中に行動を起こすことなど考えもしませんでした。前述した様な動きはWeb開催ならではの動きではないかと感じます。
また今大会では、各発表に「いいね」ボタンが押せたのですが、直接質問までは出来ないけど発表にはすごく興味がある、関心がある、なんとか応援・応答したい、という「想いを伝える」ツールとしてはお手軽で、発表者・参加者双方に刺激があったのではないでしょうか。

今回のWeb開催では、用意された場や時間以外でも自らの研究成果を伝えようと発表者・参加者らが、互いに働きかける光景を目の当たりにしました。それが何かは明確にはなっていませんが、あと少し何らかの仕組みや後押しがあれば、リアル開催とは異なる場面で更に盛り上がりをみせる大会となるヒントが隠れているのかもしれません。
SCCJ広報委員会
那波慶彦/一丸ファルコス株式会社
 

『The 31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA』取材レポート.Ⅱ

 10月21日~30日、10日間の会期で開催された「The 31st IFSCC Congress」に参加しました。本来であれば、パシフィコ横浜で、日本では14年ぶりの開催となるはずでした。しかしながら、コロナ禍の影響で、今回は「VIRTUAL Congress」と題され、初となるWebでの開催となりました。

 一体どんな大会になるのだろうか?誰もが不安を抱えていたと思います。私もWebでの大会参加は初めてでした。不安を抱きつつも、何か新しい発見があるのではないか?という期待感も秘め、「VIRTUAL Congress」は始まりました。

「VIRTUAL Congress」の内容は盛り沢山でした。オートファジーのメカニズムの解明でノーベル賞を受賞された大隅良典先生によるオープニングセレモニーの特別講演を視聴し、私の「VIRTUAL Congress」の旅は始まりました。日本の文化を紹介する動画も配信されており、確かに「VIRTUAL」ですが、日本開催だという雰囲気を感じました。69件の口頭発表、367件のポスター発表があり、いつでも見られるように、期間内はオンデマンドで配信されました。私の他にもパソコンの前で参加している同士の方々がいるのだろうと、リアル大会では考えもしないことを考えながらの参加でした。

 リアル大会では、会場という1つの「場所」が用意され、決められた「時間」で、実際にその「場所」と「時間」の中で議論するという、いわばレールが既に敷かれた状態であったことに気付きました。この「場所」と「時間」のレールが存在するおかげで、発表の聴講に集中できるのがリアル大会の魅力であり、体全体で臨場感や雰囲気を味わうことができていたのだと改めて感じました。

 しかし、今回は「VIRTUAL」。時間は何倍も用意されていましたが、普段仕事をしている時間は、集中という面で参加するのが難しかったです。そこで誰もいない場所・時間を作るため「別室にて聴講に集中」しました。

 また「VIRTUAL」は情報を全て見ることができるという点ではリアル大会に比べ、情報の選択肢が多いように思えました。しかし、その「VIRTUAL」な場所にアクセスするだけでは、情報の選択が容易ではなく、会場の雰囲気などで、この発表を聴こうといった臨機応変な参加は困難でした。検索をうまく利用し、期間内に情報を事前に整理する工程を一段階プラスすることで、集中して聴くことができました。

 自分のペースで見ることができるのが「VIRTUAL」の魅力と事前に思い込んでいましたが、参加の仕方を考えないと「VIRTUAL」の空間で迷いながら彷徨ってしまうのだと改めて感じました。その人の状況に応じた最善な参加の仕方を工夫することで、「VIRTUAL」での魅力が2倍にも3倍にもなるのだという新しい発見もありました。

 一方、オンデマンドでの配信のため、分からない箇所は再生を止めて確認でき、スケジューリングをし、好きな時間に確認できるという点は、参加前から優れていると思っていました。結果、その通りだと感じました。いいね!ボタンがあるのも「VIRTUAL」ならではと感じました。多くのいいね!が押されており、盛況ぶりを感じました。発表者目線での「VIRTUAL」も気になり、実際に発表をした方からの感想をヒアリングしました。「VIRTUAL」の場合、発表時のコアタイムがないので、リアル大会では運悪く聴講したくてもできなかった発表を聴くことができたとのことでした。

 そしてリアル大会に出向くのと比較すると、より簡単に参加できるため、業界関連の方や取引先の方から「見ましたよ」とメールや電話を頂いたときは嬉しかったという声もありました。思わぬところで見られていたなんていう驚きは「VIRTUAL」ならではの魅力かもしれません。
Q&Aのチャットでは、発表に対する質問もある中、参加者同士での「私はこういう発表をしておりますので、是非見にきてください」といったやりとりもあったそうで、リアル大会ではあり得ないようなディスカッションもあったとのことでした。

 最後に「Beauty & Happiness – Pushing Boundaries」が今回のテーマでしたが、「VIRTUAL Congress」は化粧品の領域だけでなく、IFSCC Congressの在り方をも押し広げたのではないかと感じました。
そして特に感じたのは自身の参加の仕方です。前にも書きましたが、リアル大会というレールがない分、参加者それぞれが、それぞれの参加方法を工夫することで楽しみ方・感じる魅力が大きく変わることが新たな発見でした。

「どのように参加すれば満足できるか?」
 大会は参加の仕方次第だという新たな視点を押し広げられた、私にとっての「VIRTUAL Congress」でした。
リアル大会に今回の「VIRTUAL」での魅力が融合したような大会に次回は繋がればと期待を寄せつつ、次回も参加したいと感じた「VIRTUAL Congress」でした。

SCCJ広報委員会
清水 徹/東洋ビューティ株式会社

 

2020/11/13
IFSCC 2020 Congress 横浜大会

横浜大会 開催報告

10月21日~30日に、IFSCCとSCCJが主催した学術大会がオンラインで開催されました。
ノーベル賞受賞者の大隅良典先生による特別講演に続き、69題の口頭発表,367題のポスター発表をオンデマンド配信で閲覧いただき、Awardには以下の演題が選ばれました。

Applied Research Award
A perfusable vascularized full-thickness skin model for topical and systemic applications
Sacha Salameh (L’ORÉAL)

Basic Research Award
New horizon in skincare targeting the facial-morphology-retaining dermal ”dynamic belt” - Revolution in skin analysis: “4D-digital skin” technology-
Tomonobu Ezure (Shiseido Co., LTD)

Poster Award
How can we control unpleasant body malodor effectively? Development of novel fragrances using the olfactory receptor technology
Hisashi Mihara (Takasago International Corporation)

皆さまのご協力・ご参加に感謝申し上げます。
なお、大会の様子などにつきましては、同ページ内に広報委員2名のレポートに記載がございますので、併せてご一読ください。