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第252回「学術講演会」のお知らせ

  • 学術講演会・会場風景
  • 志水氏の講演
  • 辨野氏の講演
第252回「学術講演会」が11月4日学士会館で、96名(申込者125名)の聴衆を集めて、以下の2題のテーマで開催されました。
1題目は、ARRK DISON(株)アークデザインセンター 副社長の志水俊晴氏より、『ライフスタイルとカーデザイン〜時代のコンセンサスを求めて〜』という演題でご講演頂きました。ご講演の内容としては、アークグループについて、自動車のデザインの手法についてご説明頂き、なぜ「プリウス」が売れるのか、自動車デザインの歴史、「ライフスタイル」という概念に基づいた自動車の開発、「ライフステージ」への移行に伴う選択車種の変化、「奥さんを外さんへ」をテーマに開発されたスクーターの開発プロセス、電気自動車分野についてなど幅広い範囲でお話を頂きました。この中でも、なぜ「プリウス」が売れるのかについて、マズローの5段階欲求説にあわせて説明され、さらに「時代」という時間軸にも合致しているというお話は、大変興味深い内容でした。「生活者が求める潜在的なモノ・コトを顕在化し、わかりやすく記号化していくのがデザイナー」とのことで、我々の業界においても、いかに消費者の求める商品を開発していくかという点で共通点があると感じました。
2題目は、(独)理化学研究所 知的財産戦略センター 辨野特別研究室室長の辨野(べんの)義己氏より、『見た目の若さは「腸年齢」で決まる!』という演題でご講演頂きました。辨野先生は35年以上にわたって腸内環境学、微生物分類学の研究に取り組んでおられ、雑誌やテレビにも多数出演されていらっしゃいます。ご講演の内容としては、ウンチの成分、腸内細菌と疾患との関係、分子生物学的手法による腸内細菌の解明、腸内細菌検査による新しい健康診断法の確立、腸年齢、理想的なウンチについてなど多岐にわたる内容について、ユーモアを交えてお話を頂きました。「腸年齢」の老化は、偏った食事、ストレスの多い生活、運動不足が原因で、腸年齢を若くするには、プロバイオティクスや食物繊維を摂取して、善玉菌の多い良い腸内環境にすることが大切で、食べ物の種類と排泄物を関連付け、理想的なウンチをデザインしましょうとのことでした。腸年齢の若い人ほど、肌の悩みが少なく、体力・気持ち・容姿なども若い傾向にあるとのことで、健康で、若さや美しさを保つためには、腸内環境が重要であると感じました。(学術部会A)