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「講演会」

  • 講演会場の様子
  • ご講演される宮本氏
  • 講演会場の様子
『 広告に関する最近の話題について 』

<講師>
社団法人 日本広告審査機構(JARO) 審査部長代理 宮本 和洋 氏

<講演内容>
●社団法人 日本広告審査機構(JARO)とは
・JAROは広告に関係する企業が自主的に立ち上げた民間の自主規制機関であり、消費者からの苦情や問合せを受付けて内容を審査し、問題があると判断した場合にはその広告主に対し改善の要望を行っている。しかし、広告主が従わない場合に罰則を与えるなどの強制力は持っていない。あくまでも「アドバイス」という形で要望している。
・JAROはAC(社団法人 公共広告機構)とよく混同されるが全く別の組織である。大きな違いはJAROが「広告の表示に関する審査を行うとともに、苦情や相談を受け付ける」のに対し、ACは「広告を通して公共性の啓発を行うとともに、広告に関する相談を受け付けない」点である。
・相談員は東京に6名、大阪に4名配置しており、全ての広告について相談を受け付ける。そのため、関係する規制範囲が多岐に渡り全てを把握することができないことから、化粧品の表示などについては厚生省に問合せを行うなどして随時対応している。

●近年の苦情の動向
近年、苦情の増大とともに、その内容が変化している。特に、内部告発という形の申し立てが多くなってきている。また、広告表現に対する消費者の感覚が大きく変化し、差別表現に対する苦情や品位、伝統文化を求める声が大きくなっている。普段何気なく使っている言葉も、意味の取り違えに注意が必要である。
  例)「肌が白い」   : 人種差別である
    「歩くから人間」 : 弱者配慮に欠ける 等
 
●行政の指導対象の変化について
近年、メディアの広がりや新しい広告手法が広まり、指導対象も変化してきた。TVショッピングでは、最近は厳しい指導の対象となってきた。根拠となるデータがあるかどうかが求められている。 ドラッグストアのチラシも、メーカー指導で作製された広告の場合には、内容の責任者としてメーカーは指導対象となりうる。特に最近増えてきている持ち込みインフォマーシャルであるが、以前までは番組前半の健康に関する情報については「番組」として取り扱われ、規制の対象外であった。しかし、番組後半で宣伝される商品が前半の情報に関係する場合には「全て広告」とみなし規制の対象とする動きが出てきている。また、同様に、新聞の全面広告の場合も、健康フォーラムの内容など、一般情報の範囲のみであれば問題ないが、そのページの下部に関連する商品の広告が載っている場合には、情報自体も規制の対象とする動きがでている。

●その他最近留意すべき事について
  ・ある食品の情報に対し、消費者が一斉に行動する「フードファシズム」が問題となっている。
  ・異なる広告の体験者欄に、名前の異なる同じ人物の写真が掲載されていることがあるが、これには「体験談ビジネス」と呼ばれる体験談を専門に販売している会社が関与している。JAROがこれらの広告主に対し問合せをしたが、個人情報を理由に応じないことが多く問題である。
 ・エステティックサロンにおける化粧品の広告については、サロンの主力商品は「施術」であるとの考えから薬事法で指導されないことが多い。例)マッサージで「血行を促す」など。
 

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