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「講演会」のご案内 テーマ:恋される顔のルール − 顔や化粧の不思議 −

  • 上田先生ご講演の様子
  • 上田先生
  • 会場の様子
  • 植田勉強会委員長
『恋される顔のルール−顔や化粧の不思議−』
<講師> 日本女子大学 人間社会学部
 非常勤講師 心理学博士 上田 彩子 先生
2月8日に大阪薬業年金会館において、115名の参加者を集めて大阪支部講演会を開催いたしました。今回は、美しい顔とはどんな顔か?メイクで本当に魅力的になれるのか?など、顔にまつわる身近な疑問について最近の研究を交えて心理学の観点からご講演いただきました。また、漫画家としてもご活躍されており、多くの写真や漫画とともに楽しくお話いただきました。

私たちは人物を含む絵画を鑑賞しているとき、私たちの視線は絵の中にある人物の顔に集中しています。また、赤ちゃんの研究によると「顔」を好んで見るという能力が人間に生まれながらに備わっていることが分かっています。また、私たちは、「顔」から多くの情報を得ており、同時に「顔」から多くの情報を発信しています。
さて、美人になったら得なのでしょうか?就職採用試験を想定した研究を紹介します。まず、履歴書を「出来が良いもの」と「出来が悪いもの」2種類用意します。その履歴書に貼り付ける証明写真を「美形」と「十人並みの顔」を準備し、4パターンの履歴書を作成して被験者に書類選考をしてもらいました。結果、「出来の良い履歴書」の場合は「美形」でも「十人並みの顔」でも写真の無い履歴書と差は有りませんでしたが、「出来が悪い履歴書」場合は、「美形証明写真」を貼っただけで、履歴書だけを評価した場合よりも評価がぐんと良くなりました。「美形」であることで性格の良さだけではなく能力面についても盛られることが分かりました。
ところで、「恋される顔」になる為にはどうしたらよいのでしょうか?近道は美人になることだと思います。さまざまな研究から、私たちが「美しい」と感じる顔には、次の4つの特徴があることが分かっています。

①「左右対称」の顔、
②「平均的」な顔、
③「子供っぽい」顔、
④「女性的」な顔です。

また、「恋される顔」というのは男女で少し異なるようです。女性有名人の「顔」の印象について評価してもらったところ、「男性に好まれやすい女性有名人」の「顔」の主な印象は、「女性的」、「親近感がある」、「健康的」だったのに対して、「女性に好まれやすい女性有名人」の「顔」の主な印象は、「男性的」、「近寄りがたい」でした。

私たちの「もともとの顔」には、「ふつう」の状態でも少しポジティブな印象を与えるポジティブタイプと、反対に少しネガティブな印象を与えるネガティブタイプがあります。ポジティブタイプのおもな特徴は、「上がった口角」、「柔らかな印象のほほ」です。反対のネガティブタイプは、「下がった口角」、「硬い印象のほほ」です。顔の表情は、コミュニケーションを調製する役割を担っており、微笑みに似ているポジティブタイプが恋される顔ではないでしょうか。ご自分がネガティブタイプの場合は、口角が上がったように見える口紅とほほを柔らかく見せるようにまるくチークを入れることでポジティブな印象を演出できます。

顔は加齢とともに変化します。また、人生を移す鏡のようです。己の「顔」に責任を持ち、明るく過ごすことが「恋される顔」を得る秘訣だと思います。
以上