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第264回「学術講演会」のご案内

  • 講演会会場全体状況
  • 市原先生の講演
  • 岩間先生の講演
第264 回「学術講演会」が、11月1日学士会館に於いて約60名の聴衆を集め、以下の2題のテーマで開催されました。

1題目は、首都大学東京名誉教授・(株)メディア・アイ 感性評価研究所所長 市原茂先生より「感覚の不思議 〜感覚研究の理由を考える〜」という演題でご講演いただきました。ご講演では、前半に感覚の相互作用に関して、後半にLED照明への応用についてお話をいただきました。前半は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のような感覚は、何かしらの相互作用があり、またそれぞれが優位に働く事例のご研究に関してお話をいただきました。例えば、視覚優位の事例として、テレビは実際にはスピーカーから聞こえるのだが、あたかも人がしゃべっているように感じることや、聴覚優位の事例として、発信音の回数はかなり正確に数えることができるが、フラッシュの発光回数はかなり曖昧な数となる事例などをご紹介いただきました。後半では、LED照明の心理的効果に関して照明光が色見えに及ぼす効果に関して、実際に商品に応用されたお話をしていただきました。参考資料として、「LED照明器具の設計・利用ガイド」(東京都立産業技術研究センター)をご紹介いただきました。どちらも化粧品技術者には大切な感覚研究のお話であり、とても興味深いご講演をいただきました。

2題目は、和光大学経済経営学部教授の岩間剛一氏より、『シェール・ガス革命、シェール・オイル革命と日本および世界への影響』という演題で御講演頂きました。岩間先生は和光大学にて資源エネルギー論、マクロ経済学、ミクロ経済学を、東京大学では金融工学、資源開発プロジェクト・ファイナンス論を専門としてエネルギーを含め幅広い分野でご活躍されております。また、石油技術協会資源経済委員会委員長も担当され、シェール・ガスの第一人者としてご活躍されております。ご講演の内容としては、米国を震源地とした国際エネルギー情勢の革命ともいえる大きな変貌について御話しを頂きました。100年に1度といえるエネルギー革命が2011年からの2年間に米国から世界へと広がり、米国におけるシェール・ガスをはじめとした非在来型天然ガスの劇的な生産コストの低下により、天然ガスの生産は増し、天然ガスの価格は下落しています。シェール・ガス革命は非在来型石油であるシェール・オイルの分野にも拡大し、米国国内の原油生産量は大幅に増加し、安価で大量の米国のエネルギー革命は、米国経済復活の原動力となるとともに、世界の資源地図を塗り替える可能性も強まっています。21世紀は環境の世紀、電力の世紀と呼ばれ、天然ガス需要は急増の一途を辿っています。エネルギーの世界における革命であるシェール・ガス、シェール・オイルの最新の開発動向と開発に伴う水質汚濁等の問題点、電力不足に直面する日本のエネルギー問題の解決、今後の世界のエネルギー動向と電力不足に直面する日本企業にとっての大きなビジネス・チャンスについて、詳細な資料を用いた絶妙な解説により御紹介を頂きました。
(学術部会A)