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第107回 化粧品技術基礎講習会

  • 花王:村瀬先生/皮膚の構造と特長
  • ナリス化粧品:藤原先生/粉体の形状
  • マンダム:藤井先生/女性におけるトレンドヘアスタイルの変遷と対応する剤型
  • みづほ工業:榎本先生/乳化撹拌装置の構造
  • 資生堂:黒沢先生/お客様が化粧品に要求する品質は多種多様
第107回化粧品技術基礎講習会 参加レポート

今年は化粧品技術基礎講習会が、初の東西支部の合同開催となり、内容が今まで以上に充実するとともに、WEB開催によりいつでも何度でもじっくり聴講できる利便性が加わって大変多くの学びを得ることができました。

1日目:化粧品がもたらす様々な価値
皮膚の構造機能に関する基礎的な知見や、仕事を進める上で重要な関連法規について体系立てて学ぶことができました。また、化粧品が持つ価値には、機能的、感性的、文化的な要素が関係していることを学び、ともすれば化粧品技術者として機能的な面にのみ意識が向いてしまうところを、視野を広げて考える良い機会となりました。さらに、化粧が人々の心理に数々の好影響を与える科学的な知見について教えて頂き、化粧が私たちの暮らしの極めて中心にあることを知り、技術者として一層のやりがいと責任感を感じた次第です。

2日目:化粧品の種類ごとの製剤技術とそれを構成する原料・香料
スキンケア、紫外線防止、メイクアップ、頭髪用化粧品とそれらを構成する原料、香料の講義でした。各講義では、その化粧品がどのような役割や機能を有し、その機能を発揮させるための技術が丁寧に述べられていました。加えて、お客さまトレンド、商品を安心して使用していただくための品質保証などもあり、多岐にわたり興味深かったです。また原料の講義では、その機能・役割がわかりやすく分類整理されていました。香料の講義では、評価法や規制についても触れるなど充実していました。各化粧品の種類とそれらを構成する原料・香料について、異なる二軸の講義は、化粧品の基礎技術を網羅的に理解する上で大変有意義でした。

3日目:お客様に届くまでと、届いてから
お客様に商品を届けるまでと、届けてからの講義が盛り込まれていました。化粧品は、効果や効能といったような中身や成分に関することに目が向きがちだと思います。商品を生産するための技術、中身を守るパッケージの特徴、商品の品質維持、自社の商品を守るための権利など、商品と一緒に安心と安全もお届けすることが、非常に重要であると感じました。お客様の期待を超える商品を提供するために、日々従事されている講師の皆様の想いが感じられる内容でした。今回の講義を聴講された方々の中から、日本化粧品技術者会に入会され、化粧品産業を発展させる様々な活動をご一緒させて頂ければ幸いです。

最後に、今回の取材に関して、ご理解とご協力を賜りました、本講習会の講師の先生方、化粧品技術基礎講習会の企画運営にあたられた委員の方々、および本支部の事務局の方々に感謝申し上げます。
       
              SCCJ広報委員会
1日目担当:笠原薫 (ポーラ化成工業株式会社)
2日目担当:木村友彦 (株式会社資生堂)   
3日目担当:菰口剛志 (岩瀬コスファ株式会社)