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東日本支部「第167回技術見学会」

  • なかなか見学できないクレンジングオイル製造棟へ
  • 徹底された清浄度管理・衛生環境
  • 興味津々に工場見学をする皆様
  • 宇宙での居住区間をイメージしたドーム型施設
  • 光触媒を利用した水耕栽培
  • 軽妙な語り口の木村真一センター長
東日本支部「第167回 技術見学会」

2023年11月9日に開催された技術見学会に参加いたしました。今回は株式会社ファンケル美健の千葉工場と東京理科大学の野田キャンパスを見学させて頂きました。4年ぶりに開催された久々のオンサイトでの見学会ということもあり、募集はすぐ満席となったとのことです。実際に参加した感想を以下に記載します。

〈株式会社ファンケル美健 千葉工場〉
千葉工場では無添加化粧品の生産がメインで行われていました。一般の方の見学も多く受け入れているようで、専門用語や知識を分かり易くするための看板やモデル、さらにはPOPや顔はめパネルなど、随所に楽しく学べる様々な工夫がなされていました。さらに今回は、無添加化粧品の製造棟の他、一般公開はされていないクレンジングオイル製造棟も特別に見学することができました。オートメーション化され、高速で安定生産されていく様子はとても迫力がありました。見学を通じ、一貫して感じたのは「高い衛生管理」でした。高い清浄度の室内で、中身の露出を極力少なくする生産設備、どうしても露出してしまう部分はブースなどで囲い、より高い清浄度で管理するなど、徹底した衛生管理がなされていました。また、生産頻度は1週間ごとに決定され、必要量のみを製造していくとのこと。無駄なものを生産せず、より新鮮なものをお客様に届けるメリットがある一方、生産量の変動による製造条件や原材料管理、フレキシブルな状況に日々対応するのは、高い管理力・技術力が必要になります。手間をかけてでも新しいものを届けたいという無添加化粧品への強い信念を感じました。
私自身、他社様の生産現場を見学できる機会は少ないことから、とても参考になることが多かったです。本日得られたものを今後の活動に活かし、よりよい化粧品を提供する一員として精進していきたいと思えた一日でした。

〈東京理科⼤学 スペースシステム創造研究センター〉
次に訪れたのはお隣の野田市にある東京理科⼤学でした。
まずは木村真一センター長によるレクチャー。センターでは7年前から宇宙での居住空間を部門横断的に研究し、そのゴールとしては「宇宙でヒトが暮らすことを研究する」ことで地上・宇宙Dual開発を実現するというもので、我々の生活にも大いに貢献するということでした。
見学した中で私が個人的に最も興味を持ったのは、宇宙空間で太陽光とどう向き合っていくかの実践でした。宇宙には空気がないので、当たり前ですが光エネルギーの減衰が一切なく、ヒトの居住空間に太陽光がダイレクトに照射します。もちろん、有害なUV光の「遮蔽」には最大の考慮を払いますが、同時にその強力なUV光をエネルギー循環に活かせないかということを多面的に研究しているそうです。光触媒国際ユニットでは、何度もノーベル賞候補に挙がった前学長の藤嶋昭先生が発見した「ホンダ-フジシマ効果」が至るところで有効に活用され、いくつかは、実用化一歩手前になっていることに、感動すら覚えました。閉鎖空間にせざるを得ない宇宙での居住空間の水や空気を、酸化チタンなどの光触媒作用によって浄化するのは、ある意味、究極の循環社会の実現であり、そのまま地上でのエネルギー循環サイクルに活用できることはもちろん、水耕栽培の連作障害などにも応用できるそうです。
東京理科⼤学の見学では光触媒国際ユニットのほかにも研究機器センターやスペースコロニーユニットも見学させていただきました。その中でも、JAXAや清水建設とのコラボ企画である宇宙居住空間試作型のインフレータブル構造物は、コロナ禍の発熱外来の無菌診察室として流用されたそうです。まさに地上・宇宙Dual開発ですね。

(さいごに)
SCCJでは2023年の総会で「Vision2025」が採択され、いよいよ新時代に突入し、東西それぞれの特色を生かした様々なイベントが一新されようとしています。その中には、今回の技術見学会のように、同業だけでなく、異業種・アカデミアなど一見、お仕事と直接リンクしない見学先もあるかも知れません。しかし、初めて目にする現象や普段なかなか耳にしない言葉は、知的好奇心を刺激し、みなさまのお仕事に彩(いろどり)を与えることも多いと思います。ぜひ、これからもSCCJの企画するイベントに興味をもって覗いてみてください。
SCCJ広報委員
松嶋 高志(株式会社シーボン)
SCCJ広報委員長/CITE 2025広報小委員長
野村浩一(ポーラ化成工業株式会社)