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第28回「勉強会 ワークショップ」

  • 講演後、講師に質問を投げかける技術者たち(1)
  • 講演後、講師に質問を投げかける技術者たち(2)
  • 講演に耳を傾ける技術者たち
第28回勉強会「毛髪物性を考える -ハリ、コシのある毛髪を目指して-」参加レポート
10/19(木)に開催された大阪支部主催の「第28回勉強会」に参加しました。総参加者数は93名で、関東からの参加者もいらっしゃいました。私がその場で感じた感想、それは「絞ったテーマについて、普段考えない視点で講演を聞けること」「特化されたテーマを元に同じ仕事をしている技術者同士の交流ができること」でした。

今回の勉強会のテーマは「毛髪物性を考える -ハリ、コシのある毛髪を目指して-」でした。椙山女学園大学の上甲恭平先生の講演「毛髪物性におよぼす微量構造化金属成分の役割」を聴講してきました。本講演では微量金属の存在を元に毛髪の機能についてアプローチしており、私がこれまでに携わったヘアケア製剤の処方開発者の立場から見ても、考えたことのない視点から毛髪に関する知見を得ることができました。また、技術者の方々と情報交換もしました。「毛髪への通常の着眼点とは異なることが面白い」「金属に着目した内容の講演はこれまでにあまりない」との声を聞きました。特化したテーマのため、タイトルに注目し、即参加を決めたという技術者もいらっしゃったことには驚きました。染料に関する講演は、特にヘアカラー技術者から関心を集めていたようでした。「テーマを深く掘り下げた内容だったので、会社へ持ち帰った時の発想が浮かんだ」という意見も聞き、注目度の高かった講演であったと感じました。

またこれに付随し、毛髪にアプローチする原料の紹介として「毛髪物性を変える3タイプの原料」「健康でいきいきした髪へ 〜シリコーンでハリ・コシ付与〜」「ヘアカラーによるハリ・コシの損失を抑える」「消費者の悩みが頭髪化粧品の評価を分ける」といった4テーマで、各企業様より紹介がありました。原料のテーマも「ハリ・コシ」、私が日常業務で感じているヘアケアの最新のニーズを標的にした原料にテーマが絞られていました。トレンドに合ったテーマを学び、ヘアケア処方で即実践といった構図が私の頭を駆け抜けました。

講演後の情報交流会では、立食スタイルで各講師とのディスカッションも出来るため、気軽に質疑応答ができました。「通常質問しにくい内容も質問が出来た」「展示が同じ交流会会場のため、自由な雰囲気で紹介のあった原料の具体的な確認ができた」と、食事を頂きながら、同業技術者達と楽しい時間を過ごしながらフラットに語りました。テーマが絞られていたので、同じフィールドで活躍する技術者が多く集まっていたことを名刺交換の度に感じました。「同じテーマを持った技術者同士の情報交換を商品開発に活かしたい」という意気込みにも繋がり、私にとって、技術の研鑽に役立つと感じたイベントでした。

SCCJ広報委員会 清水 徹/東洋ビューティ(株)