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第1回「化粧品技術専門講習会」微生物実践講座

  • 浅賀先生の熱い思いが詰まったテキスト。私の宝物になりそうです。
  • 満員御礼の会場
  • 熱血指導の浅賀先生。御歳71歳には見えないパワフルな講義 (その1)
  • 熱血指導の浅賀先生。御歳71歳には見えないパワフルな講義 (その2)
化粧品技術専門講習会【微生物実践講座】参加レポート
SCCJ大阪支部が西日本化粧品工業会と共同で開催した、第1回化粧品技術専門講習会【微生物実践講座】に参加いたしました。実はこの講座、定員100名のところに、200名以上の申し込みがあり、急遽20名増員して開催したそうです。そんな大人気の講座に、取材という形で参加させていただくことができました。

この講座で感じた大きな特徴を2つ挙げると、1つ目は「講師」です。講師は、微生物研究者の間で非常に有名な浅賀良雄先生で、資生堂で微生物関連業務に長年従事され、現在は、微生物技術アドバイザーとして、化粧品業界の発展のため、講演会や技術指導にご尽力されているそうです。

2つ目は「異なる部署から2名で参加」という新しいスタイルであったことです。講座は、処方開発、微生物試験実務、生産現場の3パートで構成されていました。 異なる部署から参加することで、微生物制御に対する知識を、広く社内へ共有することが可能になり、さらに、お互いの業務内容(特に苦労)を知ることで、連携が生まれ、設計から生産まで、社内一丸となって微生物制御に取り組むことができると感じました。講座の最後には、業務上の疑問や質問に浅賀先生から回答いただけるセッションがありました。そこでは、サンプルの攪拌の仕方など、具体例を紹介いただき、小さなことの積み重ねが、化粧品の品質にとって重要な防腐力を評価する、防腐試験の結果を左右することを学びました。

私自身、過去に、サンプルに十分な防腐力がないことが分かり、タイトなスケジュールの中で防腐設計を数多く準備し、微生物試験担当者へ「合格しますように」と神頼みさながら、サンプル評価を依頼した経験があります。処方開発を担当されたことがある方は、どなたも一度はそのような経験があるのではないでしょうか。幸運にもこのセミナーを受講できた方は、製剤中での防腐剤の局在や、防腐力の相乗効果を理解したことで、私のような経験をされる方は減るのではないかと思います。そして、適正な防腐力(強すぎず、弱くない)を持った、安心・安全設計の化粧品が、これまで以上にたくさん生まれることでしょう。

浅賀先生が現役時代に培った微生物制御技術について、ご講演いただきました。4時間の長丁場でしたが、伝えたいことは尽きない、という思いを強く感じました。浅賀先生はもちろん、大阪支部の皆様に改めて感謝申し上げます。大阪支部では、今回の微生物制御のような、処方開発以外に着目した専門講習会を企画していきたいとのことでした。面白い講座は、募集開始後すぐに満員になってしまう可能性があります。ご興味がある講座については、お早めの申し込みをお勧めいたします。


SCCJ広報委員 久加 亜由美/(株)マンダム