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第277回「学術講演会」

  • 講演に参加された多くの技術者達
  • 「抗シワ」標榜の為のノウハウ伝授
  • 講師と熱心に聴講する技術者達
第277回「学術講演会」参加レポート

2018年3月7日(水)、学士会館(神田)にて開催された学術講演会に参加しました。今回は、近年注目の集まる「抗シワ」をテーマに『「抗シワ」に対する評価試験・アプローチについて』、化粧品の魅力を創出する為の『アイデアとスケッチの関係』という2つの講演を聴くことが出来ました。化粧品に関わる様々なテーマの講演が聴ける機会ということもあり、数多くの方が参加されていました。私自身も「抗シワ」や「アイデア」いう言葉に強く惹かれ、楽しみにしながら参加させて頂きました。

講演1の『「抗シワ」に対する評価試験・アプローチについて』、前半は医薬部外品及び化粧品のガイドラインに準拠した「抗シワ」を標榜する為の必要な評価試験について、後半では三次元培養皮膚を用いたin vitroを中心にアプローチ例について紹介頂きました。後半のまとめ部では、メカニズムを動画で表現する等、とても分かりやすく、丁寧にお話して頂きました。3次元培養皮膚モデルは様々な種類が開発され、その進化は今後の化粧品技術進化を支えていく、重要なものと感じました。

講演2の『アイデアとスケッチの関係』ではアイデアの作り方から、その表現の一つであるスケッチの役割・有用性についてお話頂けました。講師の増成先生はもともと大手電化製品メーカーに勤められ、プロダクトデザイン等に関わられた御経験から、デザインの重要性、考え方からアイデア創出、スケッチの有用性まで幅広くしっかりとお話頂けました。今回の御講演の為にご用意頂いたスライドはなんと200枚!!90分弱の時間では全ては収まりきれませんでしたが、その熱意と説得力のある内容にどんどん引き込まれました。
私自身、デザインという言葉は「意匠」、いわゆる形や色等装飾のイメージが強かったのですが、デザインとは「行為に先だって目的から方法を考えること」であることを改めて知り、化粧品の設計開発、ひいては自分自身の仕事、その多くが「デザイン」であることに気づくことが出来ました。「デザイン」がより身近で感じられることにより、いつもと少し違う視点から自らの仕事の進め方を見つめなおすことが出来たことは、本当によい機会になりました。このような思いがけない経験ができることも学術講演会のひとつの魅力だと感じています!講師の皆さま、思考を凝らした講習会を企画・運営頂いた東京支部の皆さまに心より感謝いたします。
SCCJ広報委員 松嶋高志/(株)シーボン