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第52回 化粧品技術基礎講習会(西日本)

  • 化粧品の心理作用(東北大学大学院文学研究科 阿部恒之教授)
  • 商品開発の姿勢(御木本製薬株式会社 前山薫様)
  • 紫外線防御化粧品(岩瀬コスファ株式会社 渡辺彩様)
  • 化粧品の製造機械について(プライミクス株式会社 春藤晃人様)
第52回化粧品技術基礎講習会(西日本)

西日本化粧品工業会並びに化粧品技術者会西日本支部主催の第52回化粧品技術基礎講習会(以下、本講習会)が、オンライン・オンデマンドで開催されました。この形式は、日常業務との調整が可能であり、詳しく確認したいところを何度も再生できるところに非常に魅力を感じました。370名を越える方の申込みがあったと伺い、PCの奥から大勢のフレッシュな熱意を感じました。
以下、取材を行った広報委員から各日のレポートをさせていただきます。

初日は、はじめに西日本支部の山原幹事長から本講習会の目的と概要について説明があり、本講習会を有意義なものにするきっかけになりました。化粧品開発概論、化粧品と皮膚科学、化粧品と心理についての講義があり、化粧品開発にとって重要でかつ基本的な考えを学ぶ機会になりました。皮膚科学の講義では、日野クリニック小塚先生から化粧品による皮膚トラブル事例の紹介があり化粧品開発時に役立つ知見として吸収できました。
特に私が印象に残ったのは御木本製薬株式会社 前山先生の講義での、より良い化粧品を開発する為には、化粧品の有用性に加え、発想の転換やポジティブ思考のみならず、周囲の人々を巻き込むプレゼンテーション能力を身に着けるに至るまでバランスと情熱をもって取り組むことが重要との言葉で、これを念頭に今後取り組みたいと思います。
2日目は処方開発で非常に重要である、皮膚、原料、スキンケア・メイクアップ・頭髪化粧品概論、香料についての講義がありました。私は処方の現場を離れて長い年月が経ってしまい、その間に抜け落ちたことについて知識を繋ぎなおすことが出来ました。そして印象深かったのは、岩瀬コスファ株式会社 渡辺先生の紫外線防御化粧品の講義での新規制についてです。今後さらに高い技術が詰め込まれたサンケア商品が各社から開発されるのだろうと期待が膨らみました。改めて学びの機会をいただいたことに感謝いたします。
最終日の講義は化粧品用製造機械、知的財産、化粧品の容器・包装、品質、有用性・安全性など多岐に渡る内容でした。聴講対象者は比較的経験の浅い若手中心かと思いますが、ベテラン研究者にとっても新たな知見や考え方の学び、原点回帰の機会として意義ある充実した講義でした。特にプライミクス株式会社 春藤先生の製造機械の講義は興味深く、とかくプロセス部門に任せっきりの装置設備の選定やスケールアップファクターなど製剤設計研究者の視野を広げる大変有意義な内容でした。最後に、本講習会を企画運営している西日本支部の南野部会長(株式会社ベルヴィーヌ)からSCCJのご紹介があり、日本の未来を担う化粧品技術者への期待を込めたメッセージを頂きました。新規入会のお勧めを頂き、広報委員として御礼申し上げます。
最後に、本講習会でご講義いただきました先生方、運営くださいました委員の皆様に感謝申し上げます。
SCCJ広報委員                                                       
1日目担当:田中 徳文(株式会社マツモト交商)
2日目担当:久加 亜由美(株式会社マンダム)   
3日目担当:石田 賢哉(高砂香料工業株式会社)