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中身保護 [maintaining quality of content]

化粧品容器の大きな役割の一つで、商品が工場で生産された後、保管や輸送などの物流の過程や消費者の使用中に、中身の変質や変色、変臭が起こらないように保護する機能.中身の変質などは、温度、湿度、光などの環境要因や振動、落下などの物理要因、容器からの透過や溶出などの化学要因などから起こる.また、薬剤や紫外線吸収剤など中身の特定の成分と、容器の材質や添加剤などが互いに組み合わさって起こる場合もある.たとえば、光が原因となるケースの例として、容器が透明や半透明の場合、容器を透過した可視光線や紫外線によるものがあげられる.その対応として容器の素材に着色剤や紫外線吸収剤を添加したり、容器の外面に紫外線吸収剤を添加した塗装(UVカット塗装)を行うこともある.金属やガラス容器では問題はさほど起こらないが、プラスチック(樹脂)容器では中身水分や香料、外部からの酸素などの透過が長期保管された場合に問題を起こすことがある.透過の程度は保管温度や時間などの環境要因以外に、樹脂の種類や容器の肉厚、容量にも左右されるため製品形態での検討が必要である.容器からの溶出が原因で中身の変臭や変質を生じさせることもある.たとえば、ガラスは耐薬品性が非常に優れているが、ときにはガラス中のアルカリ分が溶出して中身の沈殿やpHの変化を生じさせることがあり注意を必要とする.(鳥居晶仁)

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