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パック [pack]

さまざまな形で昔から用いられているスキンケアの手法であり、顔だけではなく、首や脚といった全身にも用いられる.その効果も剤型により多種多様であるが、おもに汚れを落とすためのもの、肌に水分を補給するためのもの、発汗効果で肌をしっとりさせるものなどがある.パックは大別すると、乾いてはがすピールオフタイプ、洗い流しタイプ、貼布タイプがあり、使用後の満足感が感じられる商品であるが、使用方法が煩わしいなどの欠点があるため、日常のスキンケアにおいて毎回使用している人は少ないようである.しかし近年、美白や美肌にあこがれる傾向が高まるにつれ、各種パックを施術するエステティックサロンの利用者が増加している.このようなサロンでは、利用者がより満足感を得られるように、油の保温作用で発汗を促し老廃物を体外に排出させるワックスパックやオイルパック、粘土鉱物を用いたクレイパックや酵素を用いた酵素パックなど、さまざまなパックが独自の方法で用いられている.
(1)ピールオフタイプ
塗布乾燥後剥離するタイプ.皮膜形成剤としてポリビニルアルコールポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子が用いられ、水性皮膜タイプ、ビニルパックともいわれる.配合基剤によって剤型と効果に違いが見られる.透明なジェル状で塗布乾燥後透明な皮膜を形成するタイプは透明パックといわれ、おもに保湿柔軟効果が得られる.また、不透明ペースト状のタイプは、粉末や油分や保湿剤を比較的多く配合できるため、十分なしっとり感が得られる.
(2)洗い流しタイプ
水溶性高分子を配合した透明ジェル状タイプであっても、水溶性高分子の配合量が少なければ皮膜を形成しないため、洗い流すタイプとなる.また、粘土の吸着作用を利用したクレイパックも、塗布乾燥後洗い流して使用するタイプで、肌に負担をかけずに汚れや毛穴にたまった脂を取り除く作用がある.そのほか、皮脂を分解する酵素を配合した酵素パックや、最近、各種ミネラルを含有しているとして注目を集めている海藻を粉末状にして、水を加えて用いる粉末タイプもあり、これらもおもに塗布乾燥後、ふきとったり洗い流したりして使用する.
(3)貼布タイプ
マスクといわれるもの.昔は単純な四角や丸いものであったが、最近は消費者ニーズの多様化やエステの普及により、さまざまな部位に使用されるようになったため、貼布部位にあわせた形状をしたものが市販されている.マスクには、汚れや余分な皮脂を取り除くマスクパックと保湿成分やエモリエント成分などを含浸させ、肌に豊かなうるおいを与える保湿マスクなどがある.(森真啓)

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