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プロスタグランジン [prostaglandin]

アラキドン酸などの炭素数20の不飽和脂肪酸から生成される一群の脂溶性生理活性物質.略してPGともいう.酸素原子や二重結合の数や構造の違いから、プロスタグランジンE2などと命名され、生理活性は多岐に及ぶ(図).不飽和脂肪酸は、細胞膜を構成するリン脂質からホスホリパーゼによって生成し、シクロオキシゲナーゼなどの働きによって酸化されて、種々のプロスタグランジンがつくられる.プロスタグランジンは、皮膚においてもさまざまな生理現象や病態の形成に関与することが知られており、たとえば紫外線照射された皮膚での日焼けには、ケラチノサイト(表皮角化細胞)から産生されるプロスタグランジンE2が皮膚毛細血管を拡張させて紅斑形成に影響を与えているといったことがある.このような作用では、プロスタグランジンを炎症のメディエーターと考えることができる.シクロオキシゲナーゼ阻害剤であるインドメタシンはプロスタグランジン産生を抑制し、抗炎症作用を発揮する.(平尾哲二)

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