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粉砕機 [grinder]
一般に固体などを砕く機械の総称のこと.原料のもろさ、硬さ、大きさなどに応じて粗砕機(数cm〜数mm)、中間粉砕機(数mm〜数百mm)、微粉砕機(数十mm〜1 mm、場合によってはそれ以下)などに大別されるが、化粧品で使用される粉体は微粉化されたものを用いる場合が多いので、おもに微粉砕機が使用される.このさい、粉砕を第一の目的に使用することは少なく、凝集粒子をほぐし、混合をすみやかによりきめ細かに行うために使われることが多い.つまり、油性基剤を粉体中へより細かく均一に分散させる作用、着色剤を色むらなく均一に分散させる展色作用、凝集粒子を一次粒子化して均一に分散させる作用などである.また、微粉砕機にも多くの種類があり、粉砕力の与え方が、圧縮、衝撃、せん断、摩擦などの力のいずれか、あるいはそれらを組み合わせたものなどがある.粉体を用いた化粧品の製造において、昔は乳棒と乳鉢による粉砕や混合を動力で行えるようにした擂潰(らいかい)機とよばれる機械などが、混合効果も含めて使用されていたが、最近はおもに衝撃式の粉砕機が多く使用されている.この機械は、高速で回転するスイングハンマーの中へ被粉砕物が徐々に供給され、ハンマーにより瞬時に粉砕が行われ、粉砕室内の金属板に無数の孔を打ち抜いたスクリーンを通して回収されるしくみになっている.スイングハンマーの回転速度や、スクリーンを適当な孔径のものを選択することにより、粉砕条件を適当な条件にすることが可能である.(清水一弘)