LIBRARY ライブラリー

マスカラのブラシ [brush(mascara)]

マスカラの中身をまつ毛に塗布するための用具.一般には、容器の栓と一体になった軸の先端に取りつけられていて、内蔵される形になっている.栓をあけ引き抜くさいにしごいて中身を適量含ませる構造のものが多い.ブラシの仕様はマスカラの仕上りには重要な役割を果たしている.もっとも多く使用されているのはスクリュータイプであるが、コームタイプやフロッキータイプなどがある.中身のタイプや粘度と、使用するブラシの材質、形状によって、ブラシに含まれる中身の量、まつ毛へのつきの量、さばきやすさなどが変わってくるため、目的に合わせて選定し使用されている(図1).
(1)スクリューブラシ
マスカラブラシとしてはもっとも一般的なもので、ステンレスの針金で合成繊維を挟み込み、巻き締めた後に繊維をカットしてつくるブラシである.仕上げのカットによりさまざまな形状をつくることができ、またブラシ全体をカーブさせるなどの後加工をして使用する場合もある.スクリューブラシは、使用する繊維の種類(材質、形状、太さ)と量や、針金の太さを変えることで、ブラシの硬さ、ピッチ、毛のばらつき方を変えることができるため、変化に富んだものをつくることができる.
(2)コームブラシ
頭髪用のコームを小さくしたような形状で、毛を使用しない樹脂製のものである.ボリューム効果を出しやすい.
(3)フロッキーブラシ
スクリューした針金に接着剤を塗布し、ナイロン繊維を静電植毛した特殊ブラシである.自然な仕上りに向いている.一般的なブラシの密度と中身のつき中身のブラシへのつきは使用性に大きな影響を与える.一般に毛の密度が粗になる方向が、ブラシへの中身のつきが多くなり、ボリューム効果を出しやすい方向である(図2).
マスカラタイプとブラシの組み合わせ中身の粘度、しごきとのバランスにより変わってくるが、代表的なマスカラタイプとブラシの組み合わせについて下記に示す.
①ボリュームマスカラ:毛量が少なく中身液をたっぷりと含むピッチの粗いブラシ、コームタイプ
②カールマスカラ:均一に仕上がる細いブラシ、まつ毛をもち上げやすいようにブラシ自体が丸くなっているカーブブラシ
③ロングラッシュマスカラ:中身の液と繊維をバランスよくブラシに含ませ、かつ均一にまつ毛につけられるような毛量の少ないソフトなブラシ(角田依子、南孝司)

用語検索

索引