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ユーカリ油 [eucalyptus oil]

フトモモ科のユーカリの葉と小枝から水蒸気蒸留法で得られる精油.ユーカリには多くの種類があるが、香料は、主として、Eucalyptus globulus Labill、 E. citriodora Hook.、 E. australiana Baker et Smith var. B.、 E. macarthuri. Dean et Maiden.、 E. dives Schauer、 E. staigeriana F. V. M. などから採られる.主産地はオーストラリア、インド、中国などである.E. globulusのおもな香気成分は1,8−シネオールで70〜80%含有する.E. australiana var. B. も1,8−シネオールが主成分であるが、含有量は低く20〜50%である.なお、E. citriodoraの主成分はシトロネラール(65〜85%)で、E. macarthuri. は酢酸ゲラニル(70〜80%)を含有する.また、E. divesはピペリトン(40〜50%)で、E. staigerianaはシトラール(35〜45%)を含有する.このようにユーカリ油という名は同じでも、採取するユーカリの種類によって含む成分が異なるため、香りのタイプはさまざまとなる.これらの精油は抗菌作用や冷感作用があり、歯磨き、消臭剤、医薬品など幅広く使用されている.なお、コアラが食べるEucalyptus punctataからは、香料を採らない.(荻島美幸)

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