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容器の使用性 [usability of container]

化粧品容器には、デザインや中身の性状などに応じてさまざまな種類の容器が使用されている.そうした容器の開けやすさ、もちやすさ、中身の出しやすさなど容器の使い勝手、使いやすさ全般を容器の使用性とよぶ.容器の使用性は、設計段階から、実際に使う人、使われる場面を想定して十分検討する必要があり、事前に適切な使用テストを実施して使いやすさを客観的に確認することも行われている.商品の印象は容器の使い勝手にも大きく影響を受け、使いにくい容器は商品自体のマイナスの評価につながることもある.最近では、年齢、性別、障害の有無にかかわらず、できるかぎり多くの人にとっての使いやすさを追求した設計思想、ユニバーサルデサインが社会的にも広く認知されるようになり、化粧品の容器にもその考えが取り入れられている.シャンプーとリンスを例にとると、手触りだけで両者が判別できるようにシャンプー容器の側面に刻みを設けることが広く行われている.またマスカラ容器ではまつ毛の長さや角度などを各年代の女性で実際に測定して、広く使われる塗布具のブラシを設計するためのデータとしている.化粧品容器では、容器のデザインが商品の価値を高めるのに一役買っているが、それは使用性とのバランスがとれたものであることが好ましく、消費者の視点に立った心づかいが求められている.(鳥居晶仁)

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