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オーデコロン [eau de cologne]

フレグランス化粧品の一つ.香水オードパルファムオードトワレに次ぐ香料濃度の商品で、アルコール度数(水溶液中のエタノールの体積百分率)が75〜80vol%、香料濃度が2〜7vol%である.香調によって異なる場合があるが、一般的な香りの持続時間の目安は約2〜3時間で、香水の約5〜7時間に比べて短い.フレグランス化粧品の中で香りの強さ、持続性、価格の手ごろさから日本でも人気が高い.
オーデコロンの発祥の地であるドイツ、ライン川沿いの大都市ケルンは、フランス語読みでコロンという.オーデコロンとは、フランス語で“ケルンの水”という意味である.1725年ケルン市で発売された“ケルンの水”を、七年戦争(1756-763年)のときに、ケルンに配備されたフランス兵がもち帰って大人気となり、オーデコロンとして広まった.“ケルンの水”は、フィレンツェ出身のジョバンニ・パオロ・フェメニスがドイツのケルンにフィレンツェの技術をもっていったものである.フィレンツェ中央駅の真ん前にある、世界で最初の香料製造研究所があったといわれているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会では、いまでもジョバンニ・パオロ・フェメニスの“アックア・ディ・コローニア(コロンの水)”が販売されている.
その後、1792年発売の、ケルン市のミューレン社の住居番号を商品名にした“4711”(ミューレン社)は、ベルガモット油プチグレン油などの柑橘系に、ラベンダー油ローズマリー油をアクセントにしたフレッシュで清涼感あふれる香調で、古典的なオーデコロンの典型である.(浅越亨)

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