LIBRARY ライブラリー

加水分解 [hydrolysis]

化学反応の一種で、水が作用して起こる分解反応.化粧品原料にはエステル結合やアミド結合を含む物質が多く含まれるが、これらの結合は水溶液中で加水分解されやすい.たとえばエステル結合が加水分解されると、カルボン酸とアルコールが生成される.加水分解反応は、水溶液中で水素イオンH+(ヒドロニウムイオンH3O+)あるいは水酸化物イオンOH−によって触媒される特殊酸塩基触媒反応がよく知られているが、広い意味での酸(プロトン供与体)、塩基(プロトン受容体)によって触媒される一般酸塩基触媒反応も含まれる.加水分解による原料の分解を防ぐためには、製剤に緩衝液を加えてpHの変化を抑制し、反応が進まないようにする方法や、原料のエステルやアミド部に錯体を形成させて、H+やOH−が接近しにくくする方法がとられている.なお、生物の消化も加水分解反応の一つで、デンプンやタンパク質が酵素の働きで、加水分解を受けてグルコース(ブドウ糖)やアミノ酸に分解されている.(今中宏真)

用語検索

索引