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干渉色 [interference coloration]

白色光の場合、光の波が行路差により強め合ったり弱め合ったりすることで生じる色のこと.薄膜による干渉色と回折による干渉色がある.薄膜の場合には、膜の上面と下面で反射する光の行路差により干渉し強め合う色が発色する(図1).白色光が屈折率n0の媒質から屈折率n1、厚さdの媒質に入射したときに干渉し合う波長は、λ={4πn1d/(2m+1)}{1−(n0/n1)sin2θ}1/2m=0、1、2…となる.例としてはシャボン玉の色や水に油をたらしたときに生じる色があり、化粧品用素材では雲母の平板状粉末に酸化チタン*をコーティングした干渉パール剤がそれにあたる.一方、回折による色にはコンパクトディスクの色や南米アマゾン川に生息するモルフォチョウの色があり、化粧品用の素材としては、ホログラムラメとよばれる表面に多数の溝が刻まれているPETフィルムに、アルミニウムを蒸着したものをカットしたものがある.aの角度で入射した光が反射角bの方向に反射されるときに隣り合った面から反射された光の波が強め合う条件は、d(sinα−sinβ)=mλの条件を満足したときである.波長lの値によって反射光が干渉する方向角bは変わるので、見る方向によって色が変わるのである(図2).(大野和久)

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