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アナフィラキシー反応 [anaphylactic reaction]

アレルギー反応*の一つ.ある物質に一度さらされてからだがそれを抗原として認識し、体内に抗体ができた状態の人が、ふたたび同じ抗原に接触したときに起きる生体反応をいい、急性・全身性のアレルギー反応をアナフィラキシー・ショックという.どのような抗原に対しても起きる可能性はあるが、薬物・食物・昆虫の刺し傷や噛み傷などが一般的である.こういった抗原が浸入すると、抗原抗体反応によってヒスタミンなどの化学物質が生体内に放出される.これらの物質は筋肉や気道を収縮させ、呼吸困難を引き起こす.また、血管を拡張させて血圧低下を起こしたり、血管壁から体液が組織中に漏れて浮腫(はれ)やじんま疹が起こり、場合によっては心臓から血液が送られなくなってショック状態となる.なかでもとくにアナフィラキシー・ショックは抗原が浸入して数分〜30分以内に症状が発現するもので、じんま疹程度のものから、呼吸不全や循環不全を起こして死に至るケースまでと幅広い.生命にかかわる重篤な反応であるので、十分注意する必要がある.(鈴木惠子)

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