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コンパクト容器 [compact container]

本体(身)と蓋(ふた)が蝶番(ちょうつがい)でつながっている容器(図).鏡がついていたり化粧用具が収納できるという携帯性、簡便性のよさからメークアップ製品に多く使用される.おもにパウダーファンデーションやアイシャドーなどの固形粉末や、油性タイプファンデーションや口紅などのようなクリーム状化粧料を中皿に充填して収納する.おもな形態としては、化粧料の上に用具を収納するタイプと、化粧料と用具を同一面に配列するタイプがある.
材質
使用される材質はプラスチックが多く、おもにアクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリスチレン(PS)などが用いられる.金属では黄銅(真ちゅう)、アルミニウム、ステンレスなどがある.金属の場合、コストは高くなるが容器を薄く設計できるというメリットがあり、また重量感や素材の質感から高級品に多く使用される.
中皿
化粧料を充填する中皿はアルミニウムやステンレスなどの金属がおもに使用されるが、ASやポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂中皿も使用されている.中皿の固定は粘着剤が多く使用されるが、両面テープやはめあい式による固定方式も使用されている.中皿は使用者が自身でレフィル容器と入れ替えられるものもある.
化粧用具
収納される化粧用具としてはパフ、スポンジ、ブラシ、チップ(アイシャドーなどに使用し、ハンドル先端にウレタン製などの多孔質素材を取りつけた用具)など.用具に水を含ませて使用する場合は用具を速く乾燥させるために、容器に通気孔が設けられている.
付加機能
コンパクト容器に付加される機能としては、蓋を開けやすくするための部品(フックピース)を利用したプッシュタイプのフック(蓋と身のはめあい部)機構や、中皿を簡易に脱着できる機構などのように、使用者の利便性をより向上させるものなどがある.最近では揮発性のある化粧料を収納できるようにゴムパッキンなどを蓋の内側に取りつけて気密性をもたせた容器や、ルース状の化粧料の携帯用に、網をつけた部材がパッキンでおさえられているものもある.(鳥居晶仁)

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