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心電図RR波間隔ゆらぎ [fluctuation analysis using R-R intervals of EEG]

一連の心電図成分のうち、血液を左心室から大動脈へ送り出すときに生じるR波において、R波と次のR波との間隔であるRR間隔の変動をさしていう.自律神経によって支配されているため、RR間隔変動の時系列分析により自律神経活動を知ることができ、交感神経活動に関連する緊張、不安といった心理的な状態の変化を解析するのによく用いられる.解析方法は時間領域、周波数領域、カオス解析のような非線形領域に大別される.時間領域の指標でよく用いられるのがRR間隔の変動係数(標準偏差/平均値×100%)である.CVRRと表記され、一定の条件のもとでおおよそ副交感神経機能を反映するといわれており、副交感神経に障害があると低値を示すことが知られている.周波数領域分析の代表はスペクトル解析で、RR間隔時系列データを補間し高速フーリエ変換法などによりパワースペクトルを求め、その低周波成分(LF,0.04〜0.15 Hz)、高周波成分(HF,0.15〜0.40 Hz)などを自律神経機能の指標とする.よく用いられるのが、LF/HFで交感神経活動を示すものである.(奥田剛弘)

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