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ソルビトール [sorbitol]

広く植物中に存在する6価のアルコール.CH2OH(CHOH)4CH2OH、分子量182.17で、藻、海藻、タバコおよび多くの果実(とくにバラ科)に見出されるほか、ヒツジの精嚢やヒツジ胎児の血液など動物体内にも存在する.白色の粒、粉末または結晶性粉末であり、無臭、清涼な甘味がある.水にはきわめてよく溶解し、メタノール、エタノールおよび酢酸などにある程度溶けるが、一般有機溶媒にはほとんど溶けない.工業的にはグルコース(ブドウ糖)またはスクロース(ショ糖)を還元してつくられる.グリセリンに匹敵する吸湿性を有し、乾燥に対して一定の水分を保つ性質があるが、比較的べたつき感が強い.常温では無水物は固体(融点110 ℃)であるが、化粧品には70%水溶液が用いられている.保湿剤、柔軟剤としてクリーム、化粧水、乳液、ファンデーションなどに配合するほか、クリームにできる皮膜に対する可塑剤として使用する.また、種々の化粧品に使用される界面活性剤の原料、ビタミンCの合成原料として使われる.(西田勇一)

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