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転相温度乳化 [phase inversion emulsifica-tion]

エマルションが油中水(w/o)型から水中油(o/w)型に変化する転相温度(PIT)を利用して行う乳化法.PIT付近でかくはんを行ない、微細なo/w型エマルションを生成させた後、合一に対して安定となるPITの20〜30℃低温側の温度まで一気に冷却を行う.HLB温度乳化ともいう.酸化エチレン(EO)型非イオン性界面活性剤の親水性-親油性は温度によって変化し、低温では親水性、高温では親油性となる.界面活性剤/油/水の3成分からなる系の場合、界面活性剤の曇点*以下の低温ではo/w型エマルション、高温ではw/o型エマルションとなる.ちょうどその中間にはPITが存在するが、PITでは界面活性剤の会合数が著しく増えて、水相や油相のほか、多量の水、油、界面活性剤を含む界面活性剤相(D相)が出現して系は3相系となる.D相と油相、水相との界面張力は低い.また、D相は油水界面に効率よく配向する.そのためPIT付近でかくはんを行うと微細な乳化粒子が生成する.ただし、PIT付近では乳化粒子の合一速度も速いため、乳化後はすみやかに温度を下げて安定化を行う必要がある.(鈴木敏幸)天然化粧品→自然化粧品

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