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トランスグルタミナーゼ [transglutaminase]

タンパク質中のグルタミンとリジンとの間にイソペプチド結合(g-グルタミル-e-リジン結合)を形成する酵素(図).この結合によってタンパク質分子間に架橋が形成されて、不溶化させる.コーニファイドエンベロープの形成過程で、その前駆体タンパク質(インボルクリンなど)分子間のイソペプチド結合形成に関与するほか、さまざまな生体反応にかかわっている.活性発現にはカルシウム依存性で還元チオール基を必要とする.なお、ポリアミン(プトレッシン、スペルミンなど)が仲介して、タンパク質中のグルタミンどうしの間に同様の架橋が形成されることも知られている.トランスグルタミナーゼには数種のアイソザイムの存在が知られているが、皮膚においてはおもにI型とIII型がコーニファイドエンベロープの形成反応に関与する.遺伝性の角化異常症である葉状魚鱗癬では、トランスグルタミナーゼIの変異によりコーニファイドエンベロープ形成不全があり、バリア機能の低下、表皮細胞の過増殖などが認められる.(平尾哲二)

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