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二酸化チタン被覆雲母 [titanium dioxide coated mica]

雲母チタンともいう.微粉末にした雲母の表面に二酸化チタンの均一層を被覆したもので、真珠光沢、干渉色(虹彩色)を与える光学的に特徴ある真珠光沢顔料(パール剤)である.干渉色を示す雲母チタンは、白色基板上に塗布した場合は白色光沢を示すのに対し、黒色基板上では干渉色と同一色の鮮やな光沢を示す(図1).雲母チタン粒子を透過した光が白色基板上では反射、散乱されて、二酸化チタン膜で反射して干渉した光と混ざり合い、色としてとらえられていないのに対し、黒色板上では透過光が吸収されて反射光(干渉光)のみが見えるためである.そこで雲母チタンの二酸化チタン層表面と焼成還元し黒色とすれば、雲母チタンは黒色基板上に塗布した場合と同様に鮮やかな真珠光沢を呈することとなる.また、雲母粒子表面を被覆している二酸化チタン-黒色酸化チタン-二酸化チタンの3層の酸化チタン膜厚(図2)をコントロールすることで、銀色から金、赤、紫青、緑色などの干渉色を表す有色真珠光沢顔料が開発されている(表).安全性、耐光性、耐熱性が高く、不活性な物質であるため、各種メークアップ化粧品に用いられている.(小出倫正)

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