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白斑 [leucoderma、 vitiligo]

表皮のメラニン色素の脱失による白色の斑をいい、局限性のもの.色素脱失症ともいう.大きく先天性と後天性に分かれ、先天性のものは、まだら症、脱色素母斑などがある.まだら症は常染色体優性遺伝性疾患であり、脱色素母斑は非遺伝性である.後天性疾患には、尋常性白斑、サットン後天性遠心性白斑、老人性白斑などがある.このうち尋常性白斑は境界鮮明なほぼ完全な脱色斑でもっとも普通に見られる.またサットン後天性遠心性白斑は、小さな色素性母斑を中心にその周囲に遠心性に白斑をきたすものである.白斑の後天性病因は一元的なものではなく、メラノサイトに対する自己免疫、メラノサイトの自己細胞障害、末梢神経機能異常などが唱えられているが不明な点が多い.ともあれ、白斑は自然治癒がほとんど期待できない慢性疾患である.中央部の母斑、血管腫などの皮疹を切除すると白斑自体も自然消退することが多い.なお、老人性白斑は体幹、四肢に見られる境界不明瞭な直径数mm大の自覚症状のない散在性の脱色素斑で、高齢者になるほど数が増加する.老化によるメラノサイトの機能低下、減少が病因である.(伊福欧二)

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