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バジル油 [basil oil]

シソ科の一年草バジル(Ocimum basilicum L.)およびその変種の全草から水蒸気蒸留法で得られる精油.バジルは、日本には漢方薬として江戸時代にもち込まれ、目箒(めぼうき)ともよばれている.インドが原産であるが現在では世界各地で栽培され、おもな産地は欧州南部、アフリカ東部諸島、インドネシアなどである.精油は産地や品種により香気が異なり、大きくは、メチルチャビコール(スイートバジル)、ケイ皮酸メチル、オイゲノールタイプの3種に分類される.メチルチャビコールタイプにはさらにヨーロッパタイプとレユニオンタイプがあり、ヨーロッパタイプの主成分はリナロールやメチルチャビコールで、ややグリーンで甘いスパイス様の上品な香りをもつ.一方、レユニオンタイプはメチルチャビコールが80%以上を占め、セスキテルペンが比較的多く、フレッシュなハーバル様の香りをもつ.ケイ皮酸メチルタイプはブルガリア、シシリー、インド産のオイルでケイ皮酸メチルの含有量が多く、また、オイゲノールタイプはジャバ、セイシェル、ロシア産でオイノゲノールの含有量が多い.歯磨きなどのフレーバーに使われるほか、甘くてオリエンタル調のロリガンタイプの香水や男性用フレグランスに多く使用されている.(小笠原俊彦)

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