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発粉 [blooming]

油性製剤の固体表面が粉を吹いたようになる現象で、ブルーミングともいう.化粧品では口紅やアイブロウ、アイライナーなどにおいて、経時により配合成分の一部が表面に析出してくることにより、粉を吹いたような状態になる現象をさす.たとえば、鉛筆製品では、固形油分として硬化ひまし油、木ろう、ステアリン酸などを配合成分としている射出成形タイプで発粉が多くみられ、その発粉成分の組成は、もともと配合されている量に比べ脂肪酸の割合が多くなっている.これは、ステアリン酸などの脂肪酸が一度油分に溶解し、それが経時で析出してくるものと考えられる(図).なお、このときステアリン酸の結晶形は溶解時での結晶形と異なることが報告されている.また、発粉の有無や発粉したときの程度は、配合する固形油分や液状油分などの種類・量によって影響を受けるため、種々の固形油分や液状油分の組合せなどによって発粉を防ぐ検討がなされている.(田端勇仁、南孝司)

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