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ステアリン酸 [stearic acid]

高級脂肪酸の一つ.主としてパーム油をけん化分解して得た脂肪酸を冷却プレスして、液体酸(おもにオレイン酸)を除いてつくる場合と、大豆油、綿実油などを高圧水添してオレイン酸、リノール酸を飽和させた後、分別蒸留してつくる場合がある.白色鱗片状の結晶.化学式はCH3(CH2)16COOH.比重(80 ℃)0.8390、 屈折率(70 ℃)1.4337、 融点69.6 ℃、沸点213 ℃/5 mmHg、中和価197.2、温アルコール、アセトン、エーテル、石油エーテルに可溶.市販ステアリン酸にはステアリン酸分が多く、軟らかな結晶性固体で高融点タイプのもの、共融混合物で、硬く非結晶性の固体で融点が低いものがある.化粧品の油相原料として使用する場合は、製品に要求される性質によって純度の高い高融点のもの、混合物などを使い分ける必要がある.主として工業用の滑剤、分散剤、柔軟剤、安定剤、そのほかグリース、クレヨン、ろうそく、研磨剤など広い分野で使用されている.また、各種界面活性剤の製造原料としても広く利用される.化粧品にはクリーム、乳液、口紅、白粉(おしろい)などの油相原料として使用され、界面活性剤エステル類として間接的にも利用される.(西田勇一)

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