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パントテン酸 [pantothenic acid]

ビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、生体内の酵素の作用に大きくかかわる.パントテン酸とは“広く分布する酸”という意味であり、食品中にも多く含まれている.パントテン酸には、神経障害の回復、肝機能、副腎機能の改善、コレステロールの血管への沈着防止、解毒などの薬理作用があるが、皮膚においても重要な化合物であり、欠乏時には表皮および毛髪に障害が現れる.化粧品には、水溶性のパントテン酸カルシウム塩の形で使われるほか、パントテン酸のカルボキシル基をアルコールに還元した形のパンテニルアルコールとしても利用される.また、パントテン酸の油溶性の誘導体としてアセチルパントテニルエチルエーテルがある.パントテン酸カルシウム塩が吸湿性が高く、しだいに分解する傾向があるのに対し、アセチルパントテニルエチルエーテルは安定性がよいのが特徴である.こうしたパントテン酸類は、育毛剤やヘアトニック*などヘアケア化粧品、肌荒れ用のクリームなどに配合されている.(弓岡良輔)

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