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ウェーブ力 [wave strength]

パーマネント・ウェーブのウェーブ効果の中でウェーブの強さを表す.パーマ剤の力価ともいう.ウェーブ力は、パーマ剤の違い、髪質およびパーマ施術法により異なった結果を出すものであるが、一般にはパーマ剤自体のもつウェーブの強さを表すことが多い.パーマ剤の種類の中でチオグリコール酸系パーマ剤は強いウェーブ力を示すが、一般にチオグリコール酸量が7〜9%で、pHが9くらいのものが、健常な髪で強いウェーブ力を得たいときに使用される.pHが8.0〜8.7ぐらいのものは中程度のウェーブ力を示し、やや傷んでいる髪やソフトなウェーブを得たいときに使用される.ヘアカラーやブリーチなどでかなり傷んでいる髪には、ウェーブ力の弱いシステイン系パーマ剤がよく使用されている.パーマ剤の処方を決める上で重要な試験として、ウェーブ力評価試験がある.一般にキルビー法、スパイラルロッド法などが知られているが、いずれも実際のウェーブ施術をまねた小規模な試験法で、ウェーブ毛からウェーブの波長や波の高さを測定しウェーブ力を数値として表すことができる.毛髪ストランド(毛髪1〜2 gを用いて作製した毛束)を用い、ロッドに巻いて実際のウェーブに近い条件での試験もよく実施される.ウェーブ力は定性的な評価になるが、ウェーブ毛の感触評価なども得られる.しかし、実際には美容師によるヒトパネルを用いた使用テスト、いわゆるハーフヘッドテスト法(頭髪を左右に分け試験品と対照品を比較判定する)が重要で、このテストではウェーブ効果、ウェーブ毛の感触、パーマ施術中の臭い、液のなじみやすさや頭皮の刺激など総合的なパーマ剤の品質が評価される.(→パーマネント・ウェーブ)(久保早苗)

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