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ホルモン [hormone]

内分泌腺とよばれる生物の特定の器官で生産、分泌され、血液循環によりほかの細胞(標的細胞)に運ばれ、少量で特異的な代謝作用を調節(促進または遅延)して作用を発揮し、精神的、肉体的健常性を保たせるもの.語源はギリシャ語の“刺激する”である.その働きから分泌が過剰になったり、不足すると、生物の異常をまねく.少量で触媒的に働く点はビタミンと同様であるが、ビタミンが体内で合成されないのに対し、ホルモンは体内で合成されるという点が異なる.ホルモンは化学的にはアミン、タンパク質、ステロイドなどに分類できる.代表的ステロイドホルモンには男性ホルモン、女性ホルモン副腎皮質ホルモンがある.女性ホルモンの一つである卵胞ホルモンと副腎皮質ホルモンは以前は化粧品および医薬部外品で使用できたが、現在は安全性などの観点から卵胞ホルモンに限定されている.さらにその種類、使用量などについては、厳しい基準が定められている.化粧品および医薬部外品には、にきび、ふけ、皮膚炎、脱毛症の改善を目的とし、化粧水、クリーム、育毛剤などの外用剤として用いられる.
(1)卵胞ホルモン
女性ホルモンの一種.卵巣から分泌されるホルモンでエストロゲンともよばれる.皮膚の代謝を維持したり、頭髪の発育促進、毛嚢、皮脂腺の成長促進、体毛の発育抑制、血管拡張などの作用がある.エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、が化粧品および医薬部外品で使用できる.
(2)副腎皮質ホルモン
副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの総称.抗炎症、抗アレルギー、育毛などの作用がある.以前はコルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾンなどが化粧品および医薬部外品に使用可能であったが、現在は配合禁止成分とされている.(近亮、瀧野嘉延)

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