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マスカラの仕上がり [appearance]

近年、目元のメークアップの主役といえばマスカラであるが、塗る前と後では、当然、見え方(見栄え)や印象は違ってくる.マスカラの仕上がりとは、マスカラを塗ったまつ毛がどのように変化し、見栄えがするかといったマスカラの効果を表していう.一般的な表現は、長くなる、多くなる、カールする、均一に仕上がるといったもので、これらの言葉が単独にまたは組み合わせて用いられ、まつ毛の仕上がり状態を表している.まつ毛のタイプは千差万別で個人差が大きいが、日本人を含む東洋人(モンゴロイド)のまつ毛は短め、少なめ、下がりめという特徴をもち、ともすると目元の表情に乏しいとか殺風景であるとか酷評されがちであるが、別の見方をすればそれだけマスカラによる効果が、欧米人よりも大きく現れると期待できる.事実、表情の魅力的な女性の多くはマスカラを中心とした目元のメークアップに熟練しており、マスカラをタイプ別に使い分けたり組み合わせて使うことで自分の理想とする仕上がりを実現している.
機能的仕上がり(仕上がりタイプ別)
(1)ロングラッシュタイプ
マスカラ液に繊維を含むタイプ.まつ毛と繊維、または繊維どうしが絡み合い長く伸びたまつ毛に仕上がる.もともとまつ毛自体が長い欧米人にはニーズが乏しいので、海外製品ではあまり見られないタイプ.
(2)ボリュームタイプ
アクリル系の水系エマルション樹脂水溶性高分子化合物を含有し、まつ毛にしっかりつくので、一本一本が太く濃くなり量が増えたように見える.海外製品で主流のタイプ.
(3)カールタイプ
洋の東西を問わず人気のあるタイプ.固形ワックスやシリコーン樹脂が配合され、それらがまつげのカールを保持したまま固まることで、上向いた、いわゆるぱっちり目の仕上がりになる.近年はボリューム&カールやカール&ロングといった複合型も登場し、仕上がりのバリエーションが増えている.とくに欧米では、まつ毛どうしが束になって太く見える仕上がりよりも、一本一本が独立してボリュームアップするセパレートタイプマスカラが注目を集めている.
機能的仕上がり(効果の持続性)
マスカラの機能で忘れてならないのがいわゆる化粧もちであり、一般には、ウォータープルーフ、オイルプルーフさらにマルチプルーフといった言葉で表されている.これらはマスカラ液に含まれる成分の特徴によって性格づけられているが、固形ワックスやシリコーン樹脂を多く含むマスカラは水分や皮脂に強く、ウォータープルーフとよばれるマスカラの多くはこのタイプに属する.逆にアクリル系の水系エマルション樹脂や水溶性高分子化合物を含むマスカラは水分にやや弱い傾向にあり、目の周囲の彫りが浅い日本人では時間がたつと目のまわりににじんだ、俗にいう“パンダ目”になりやすい.ひと昔前、女性歌手が受賞の喜びに泣き出したさい、頬を黒い涙が伝うというひと幕があったが、そのときに使われていたのはこのタイプだったのだろう.
色彩的仕上がり
色彩はブラック(黒)が主流であり、通常販売されている70〜80%を占める.その次に多いのがブラウン(茶)でそのほかにブルー(青)、パープル(紫)などがあるが、全般的に原色系の奇抜な色調はあまり多くない.なお、最近はこれらの色調に光学的な効果を有するパール剤ラメ剤などを配合し、色彩的により大きな仕上がり効果をねらったものもある.

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