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ミクロエマルション [microemulsion]

マイクロエマルションともいう.エマルションと同様、互いに溶解しない液体の一方が他の液体中に微細な液滴として分散したもの.乳化粒子径が1,000〜数十万nm(1〜数百μm)であるエマルションに比べて、より微細な粒子径(数〜100 nm)である.粒子径が光の波長の4分の1以下であるため、外観は透明あるいはわずかに乳白色を帯びた半透明で、低粘度の液体である.1940年代にSchulmanにより、油/水/界面活性剤/中鎖アルコール系で発見・命名された.その後、溶存状態の研究から、ミクロエマルションは通常のエマルションのような熱力学的に不安定な分散系ではなく、熱力学的に安定な平衡系であり、界面活性剤水溶液に油(あるいは界面活性剤油溶液に水)が可溶化された、いわゆる膨潤したミセル溶液であることが明らかになった.また、分散状態もたんなる球状のミセルだけでなく、親水性-親油性のバランスした可溶化量の大きい領域では、界面活性剤の親油基の間に油が膨潤、界面活性剤の親水基の間に水が膨潤した両連続構造(→総論図13.10)となる場合があることが確認された.化粧品では、油成分を含むが透明の低粘度液状である化粧水などに用いられている.(鈴木敏幸)

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