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メラノソーム [melanosome]

メラノサイトの内部にある袋状の細胞小器官で、この中でメラニンが合成される.メラノソームはゴルジ装置付近の小胞からつくられ、初めは球形で成熟するにつれ紡錘形に変化する.成熟度の低いステージIから成熟度の進んだステージIVの四つの段階に分けられ、ステージIVへと進むにつれ内部が高電子密度のメラニンで埋め尽くされるため、電子顕微鏡による観察では黒いラクビーボールのように見える.成熟したメラノソームはメラノサイトの樹枝状突起の先端に移動し、周囲にあるケラチノサイト(表皮角化細胞)に貪食されることで受け渡される.基底細胞層あるいは有棘細胞層下部のケラチノサイトを観察すると、細胞核の上方に貪食されたメラノソームが複数集まり、帽子状になっているようすが観察される.これは核上帽とよばれ、紫外線から細胞核を防御していると考えられる.これらのメラノソームはケラチノサイトが分化し、皮膚上層に移動するにつれて、消化、分解といった働きをする細胞内小器官であるリソソームと融合し、消化されて徐々に見えなくなっていく.(佐藤潔)

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