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ケーキング [caking]

主としてプレスド状の粉末化粧品において、使用時にチップやスポンジなどで成形表面をこすると、表面が固まって取れにくくなり、使用しずらくなる場合がある.この現象をケーキングという.ファンデーション、アイシャドー、白粉(おしろい)などの中でもプレスド状のものに多く見られる現象だが、ルース状の製品についても、まれに湿度の高い保存環境などにより起こることがある.また、粉末が分散している化粧水などでは、粉末が沈殿した後、振っても容易に分散しにくくなる現象が見られるが、これも同様にケーキングとよばれている.この状況は、組成中における成形性のよい粉末(たとえばタルク)や、賦形剤としての油分量などのバランスが悪い場合に発生しやすい.また、二次的には、皮脂やその他の製品の油分などがついて起こる場合がある.水あり水なしでも使える両用タイプのファンデーションで、ウェット使用するさいの水も粉末をケーキングさせる性質をもっているが、シリコーン処理などによる疎水化処理粉末(水を吸わない粉末)の開発により、ケーキングが防止できるようになった.(南孝司)

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