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疎水化処理粉末 [hydrophobic treating powder]

いろいろな目的に応じて、水になじみにくくするよう(はっ水性)に表面処理された粉末の総称(→粉体の表面処理).はっ水性処理粉末、親油化処理粉末ともいう.その目的は、乳化タイプの製品などにおいて、親水性の体質顔料や顔料を油相に安定に分散させるためや、ファンデーション、日焼け止め化粧品の耐水性を向上させることが一般的である.多くの方法が提案されており、代表的なものについて以下に示す.
油脂、金属石けん、脂肪酸による表面処理
油脂金属石けん脂肪酸などを親水性の粉末の表面にたんに吸着させたり、あるいは顔料表面のヒドロキシル基などの官能基を利用して、エステル化などの反応を起こして、化学吸着させる方法がある.
シリコーン処理
メチルハイドロジェンポリシロキサン(メチコン)のSi-H基という反応性の高い基を利用して、粉末表面に化学的に結合し網目状のシリコーンポリマーをつくる方法が代表的である.耐水性が高いことから、近年多くの製品に利用されている(→機能性ナノコーティング色材).
フッ素系化合物による処理
ペルフルオロアルキル基をもつ高分子などによる表面処理.耐水性のほかに耐油性(はつ油性)も有するので、皮脂による化粧くずれを防止することもできる.(南孝司)

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