LIBRARY ライブラリー

アイシャドー [eye shadow]

アイメークアップ化粧品の一つで、瞼(まぶた)を中心に目の周囲に塗布して立体感を出し、目の表情を強調するために用いる.アイメークアップ化粧品の中でもっとも色調が多彩で、ブラウン系やブルー系といった一般的なものからピンク系やグリーン系、イエロー系など鮮やかなものまであり、季節やトレンドなどにあわせた幅広い選択が可能である.このような多彩な色合いを出すために、色材として酸化鉄や酸化クロム、群青などの無機顔料や有機合成色素(タール系許可色素)などが用いられている.また、雲母チタンなどの真珠光沢顔料(パール剤)や、チタン・マイカ系有色真珠光沢顔料を用いることで、光沢や質感のバリエーションも豊富になっている.その品質には、塗布が容易で、化粧もちがよく、目に支障をきたすことのない高い安全性が求められる.組成・剤型剤型は、スティック型アイシャドー、ケーキ型アイシャドー、乳化型アイシャドーなどが一般的で、いずれも携帯に適している.このほか、固形状の油性原料、半固形油からなる基剤に色材を混和した軟膏型アイシャドーもある.(1)スティック型アイシャドーみつろうやセレシンろうなどのワックス、流動パラフィンスクワランといった液状油などを加熱溶解した中に、色材を分散させ、金型に流し込み冷却してつくられるもので、成分・製法的とも、スティックタイプの口紅と類似している.適度なのび、固さ、肌への付着性をもたせるためには油分の選択が重要であるが、同時に発汗発粉(ブルーミング)、使用中の折れなどもないような工夫が必要である.指やスポンジなどでなじませるように塗布する.(2)ケーキ型アイシャドー(プレスドアイシャドー)多色の塗り重ねやぼかしによるグラデーションが容易で使いやすいため、広く用いられている.塗布にはおもにチップやブラシが使われる.タルクセリサイトなどを中心とする粉体ベースに色材を混合かくはんし、流動パラフィンなどのバインダー(結合剤)を加えて混合した後、圧縮成形してつくられる.(3)乳化型アイシャドータルクや色材などの粉体成分を混合後、精製水や保湿剤などの水相に加え混合する.これに加熱溶解したワックス、液状油などからなる油相を添加しながら乳化し、冷却して得られる.処方はスティックタイプと類似しているが、スティックタイプに比べてワックス類が少ない.やわらかなクリーム状のため、肌への密着性が高く、瞼の広い範囲に塗布しやすい.(角田依子)

用語検索

索引