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再利用 [reuse]

一度不要になったものを直接あるいは補修や洗浄などを行い、もとの用途に利用したり、異なった用途に用いることをいう.リユースともよばれ、自然から取り込む資源を最小化し、また自然に排出する廃棄物も最小化しながら経済成長を行う循環型社会の基本となる考え方、いわゆる3 Rの一つ.ほかの二つは順にリデュース(reduce:廃棄の抑制)とリサイクル(recycle:再資源化)といい、リユースはその中間に位置する.
一般的な例
再利用の一般的な例としては、ビール瓶があげられる.ビール瓶は使用後、いったん酒店によって回収され、その後ビール工場に送られる.そこで洗浄などの工程を経て、ふたたびビール瓶として使用される.このような瓶のことをリターナブル瓶とよび、ビール瓶の場合では、平均して20回程度繰り返し再利用される.また、日本酒の一升瓶も同様に、何度も繰り返し再利用されているが、一升瓶の場合は、日本酒用として使用された後、さらに醤油や油を入れる瓶といった別の用途にも再利用されている.このように、ガラス瓶といえば、これまでリターナブル瓶が昔ながらの再利用法であった.しかし最近では消費者ニーズの変化に伴う大型店やコンビニエンスストアなどの、販売方法の多様化により、一度しか使用しないガラス瓶が増加している.このような瓶のことをワンウェイボトルとよび、一度使用した後は捨てられ、廃棄物としてリサイクルの対象となる.ワンウェイボトルは、再資源化センターに回収され、加工業者によって粉砕、溶解などの工程を経てガラスの原料(カレット)として再利用されている.そのほか、衣類や家具の場合は、それを必要とする消費者に売却したり、他人に譲渡することは、再利用としての社会的貢献度が高いといえる.たとえば古着などは、そのままの状態でおもに機械油のふきとりなどに用いる布(ウエス)といった、本来の衣料としての目的とは異なる用途に転用されることが多く、これも有効な再利用の方法の一つである.
化粧品容器包装の再利用
一方、化粧品の容器包装について、そのまま再利用の定義にあてはめるのは困難である.それはもともと化粧品は“美しくなりたい”という願望を満たすことを目的としているので、容器包装に対してもそのイメージが求められる傾向にあるからである.したがって、傷や埃(ほこり)、変色などは、化粧品の価値を著しく損なうと考えられるため、一度不要になった容器をそのまま繰り返し再利用することは現実的に困難である.しかし、広義にとらえると、たとえばファンデーションやアイシャドー、頬紅などに見られるコンパクト容器は、中身の詰め替えが自由にできることから本体容器は何度でも繰り返し使用することができるので、これは再利用に値する考えである.また、本体を継続使用するという点において、省資源化や廃棄物の抑制にもあてはまることから、環境に配慮した容器包材として積極的に開発が進められている.なお、この詰め替え方式の基本的な考え方はシャンプーやリンスなどと同じである.さらに再資源化された素材を活用することも有効な再利用法である.たとえば、再生のガラス原料を用いたガラス容器の開発やプラスチック製品の製造工程において発生した端材や不良品と、家庭から廃棄物として出されたプラスチックなどを再資源化し、それを利用したプラスチック製容器の開発も進められている.また、口紅やエアゾールの容器には再生アルミニウムを、個装箱や能書(説明書)には雑誌・新聞古紙から再資源化された紙が用いられ、また化粧品を配送するための段ボール箱には、使用済みの段ボール古紙から再資源化された紙が利用されている.これらはワンウェイボトルのように、使用後、いったん姿形を変えて原料レベルにまで戻されているが、ふたたび化粧品の容器包装として新たな利用価値を見出している.しかし実際は、これらの再利用化は、まだごく一部に限られている.素材を再利用するにあたっては、その質はもとより同一素材を容易に集められることが重要であるが、現状は分別廃棄を促す動きが高まりつつもまだまだ異種混入した状態の廃棄物がほとんどなので難しい.今後メーカーは、容器設計段階から“再利用することを見据えた製品化”を進める必要がある.それが消費者の分別排出を容易にし、再利用の促進、ひいては環境保全につながるものと考えられる.(奥野泰敏、松野高明)

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