LIBRARY ライブラリー

シェービング化粧品 [shaving cosmetic]

一般に、成人男性は日常習慣としてひげをそる.シェービング化粧品には、ひげそり前に使用してひげそりを効果的に行うための化粧品と、シェービング後の皮膚の荒れをおさえて保護する化粧品の、大きく二つがある.また、ひげそりに使用する器具としておもに安全かみそり、電気かみそりがある.現在は電気かみそりの普及率が高いが、安全かみそりを使用する人も多く両者それぞれに対応した製品がある.
(1)シェービングクリーム[shaving cream]
安全かみそりでひげをそる場合に使用するクリーム状の化粧品.ひげを膨潤、軟化させて、そりやすくする.また、かみそりの刃を軽く滑らせる働きもあるので、力を入れて強くそる必要がなく、皮膚の荒れや切り傷を低減できる.主成分は脂肪酸石けんで、皮膚に対するうるおい成分として保湿剤、油分が配合されている.また、爽快感、さっぱり感を付与するため、メントール、エタノールなどが配合され、ひげそりにより生じる肌荒れ、切り傷に対処するため消炎剤や殺菌剤などが配合される場合もある.
(2)シェービングジェル[shaving gel]
安全かみそりでひげをそる場合に使用するジェルタイプの化粧品.配合されている水溶性高分子、多価アルコールにかみそりの刃を軽く滑らせる働きがあるのでひげがそりやすく、皮膚の荒れや切り傷を低減できる.主成分はシェービングクリームと同様で、ひげそりにより生じる肌荒れ、切り傷に対処するため消炎剤や殺菌剤などが配合されている製品もある.
(3)シェービングソープ[shaving soap]
安全かみそりでひげをそる場合に使用するクリーム状の化粧品.液状、粉体状、固形状の製品があり、このうち液状、粉体状のものは理髪店などの業務用に使用されている.固形状のものは化粧石けんと性質は似ているが、洗浄力より泡のきめの細かさ、ひげへの塗布のしやすさを重要視されている点が異なる.ひげを膨潤、軟化させてそりやすくする.また、かみそりの刃を軽く滑らせる働きもあるので、力を入れて強くそる必要がなく、皮膚の荒れや切り傷を低減できる.主成分は脂肪酸石けんで、アルカリ性にすることでひげを膨潤、軟化させて、かみそりの刃を滑らせ、そりやすくする.さらに、皮膚に対するうるおい成分として保湿剤、油分が配合されている.
(4)シェービングフォーム[shaving foam]
安全かみそりでひげをそる場合に使用する泡状の化粧品.泡状にするため、内容液を噴射剤の液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテルといっしょにエアゾール容器に充填している.内容成分としてはシェービングクリームと同様、脂肪酸石けん、油分、保湿剤などが配合されている.
(5)アフターシェービングクリーム[aftershaving cream]
ひげそり後に使用するクリーム状化粧品.傷んだり、荒れた皮膚を整え、肌荒れを防ぐ.配合される成分は女性用のクリームと大きな違いはないが、男性は女性より皮脂の分泌量が多いことから、油分量を少なくしている場合が多い.また清涼感、爽快感、さっぱり感を付与するため、メントール、エタノールなどが配合されている.また、ひげそりにより生じる肌荒れ、切り傷に対処するため消炎剤*や殺菌剤などが配合されている.
(6)アフターシェービングローション[aftershaving lotion]
ひげそり後に使用する化粧水.ひげそりによる切り傷を癒し、肌荒れを防ぎ、清涼感、さっぱり感を与える.配合される成分はエタノール、水をベースに保湿剤、グリチルリチン酸などの消炎剤、清涼感を付与するためのメントール、カンファー(樟脳)などが配合されている.(野河泰博)

用語検索

索引