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湿式成形法 [molding with wetting condition]

ファンデーションやアイシャドーなどの粉末製品の成形法.中身に水などの溶媒を加え、スラリー(流動性のあるクリームのような状態)にしたものを中皿に充填、プレス加工後に溶媒を乾燥蒸発させて成形する.湿式成形では、スラリーで中皿充填するため中皿形状にかかわらず安定して成型ができ、また溶媒を乾燥蒸発することで内部に適度な空隙が生じ、ソフトな使用感を得ることができる.一方、中身のスラリー化や乾燥などといった作業があるため、乾式成形法に比べて工程が複雑となる.スラリーの充填方法には、中皿の上方から行う方法や中皿底部の穴を通して下方から行う方法があるが、スラリーの充填、成形、乾燥という成形プロセスの基本的なところは同じである.上方から充填する工程に用いられる中皿は、金属製、プラスチック製など材質を問わない場合が多いが、下方からの充填に用いられる中皿は、底部に穴を設ける必要があることからプラスチック製であることが多い.また、中身に適量の溶媒を加え、スラリーではなく適度な大きさの粒(ビーズ)をつくってそれを中皿に充填、プレスした後、乾燥させる成形方法もあり、深い中皿を使う場合に採用されることがある.(南孝司)

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