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ゼラチナーゼ [gelatinase]

コラーゲンの分解物であるゼラチンをよく分解するプロテアーゼ(タンパク質分解酵素).構造の類似したゼラチナーゼA(72 kD-ゼラチナーゼ)とゼラチナーゼB(92 kD-ゼラチナーゼ)の2種類の分子が知られる.これらはマトリックスメタロプロテナーゼ*(MMP)とよばれるコラーゲン線維エラスチン線維などの真皮構成タンパク質、いわゆるマトリックスを分解する一群の分解酵素に分類され、それぞれMMP-2およびMMP-9ともよばれる.ゼラチンの分解能がもっとも高いが、そのほかにもIV型およびV型コラーゲン、エラスチンなども分解するため、それぞれ72 kD-IV型コラゲナーゼ、92 kD-IV型コラゲナーゼという別名もある.皮膚では創傷部位や、強い紫外線に暴露されるとケラチノサイト(表皮角化細胞)で発現する.また炎症が起こった場合、白血球などの炎症性細胞の浸潤に伴って蓄えられていたゼラチナーゼは真皮中で放出されて、周辺の基底膜真皮成分のダメージを引き起こす.そのため繰り返し発現することにより長期的にはしわの形成の一因になると考えられている.(→コラゲナーゼ)(江浜律子)

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